職業訓練で気づいた「向いてない」という現実&それでも通ってよかった理由

職業訓練校体験記
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職業訓練でWebサイト制作を学べば、Webサイト制作の仕事ができる。

そう考えて、Webサイト制作の職業訓練校の門を叩きました。
でも実際にWebサイト制作を学んだ結果、私がたどり着いたのは

「この仕事、たぶん自分には向いてない」

という現実……

この記事では、私がこの結論に辿り着くまでの道のりと、そこから学んだ「職業訓練校の使い方」について、まとめています。

職業訓練校を検討している方に、「そういうケースもあるんだな」と、心に留めてもらえればと思います。

なぜWebサイト制作を選んだのか?その理由

私がWebサイト制作を学ぼうと思った理由はこんな感じです。

・前職でSNSと自社サイトの運営/更新/管理を行っていた
・その流れで「もっと本格的にWebサイト制作をしたい」と思うようになった

・趣味でサイトを作ってたこともあり、初歩的な知識はあった
・Webサイト制作の技術を身につければ、在宅ワークができると思った
・Webサイト制作業界に入れなくても、副業でフリーで稼げると思った
・就職/副業、どちらにせよ実績を積めば、独立できると思った

民間のスクールに通うのはお金がかかるので、無料で学べる職業訓練校を選びました。

職業訓練校で学んだ「Webサイト制作」の基礎

私の通っていた「Webデザイン制作の基礎」クラスでは、

・WebデザインとWeb制作についての基礎知識
・Webサイト制作の流れとワイヤーフレームの概念
・Photoshopの基本操作/写真の編集方法
・llustratorの基本操作/画像制作(ロゴ制作)の方法
・Figmaをの基本操作/デザインカンプの作り方
・PremiereProの基本操作/動画編集の方法

といった内容を学ぶことができました。

最初の3ヶ月でこれらを詰め込み、最後の1ヶ月はグループワークで企業サイト制作、個人課題で自由制作という流れでした。

▶︎詳細はこちらの記事にまとめています

職業訓練校で知った「Webサイト制作」の流れ

授業の中で、Webサイト制作職の働き方についても教わりました。
Webサイト制作職は大きく分けて下記の3種類。

・Webサイト制作会社
・インハウスデザイナー
・フリーランス

「Webデザイナー=制作会社勤務」というイメージしか持っていなかった私にとって、これは大きな発見で、「未経験で目指す職業は本当に知らないことだらけだな」と実感しました。

Webサイト制作会社で働く

Web制作会社での業務は、クライアント企業から案件を受託してサイト制作を行う、クライアントワークが中心です。

さまざまな企業からWebサイト制作を受注し、打ち合わせや仕様書に沿ってデザイン・コーディングを行い納品し、必要があればアフターメンテナンスや、更新業務も請け負う。
案件ごとに色々なサイトが作るので、技術の幅が広がるし、毎回新鮮な面白さがあるかも。

・営業担当
・デザイナー
・コーダー
・ディレクター

こんな感じで、役割が分かれていることも多いです。

インハウスデザイナーとして働く

インハウスデザイナーとは、自社のWEBメディアを運営・管理してる人や部署のこと。

私の前職もこれに近く、サイト制作は外部に委託していて、更新と管理、追加ページの依頼などを担当。
外注先に思うような修正が伝わらずもどかしい思いをしたり、他の業務をこなしつつの兼業だから満足いくまで取り組めない…
そういうのが積み重なって嫌になり、サイト制作に集中できる「Webサイト制作業」に就こうと思ったんですが、社内で専任業務として携われるなら、インハウスデザイナーが理想の働き方だなと思いました。

フリーランスとして働く

フリーランスは、企業や個人から案件を受注して、スケジュール管理から制作・納品まですべてこなす働き方。

自由度が高い一方、営業活動・価格交渉・納期管理など、自己責任の範囲も広がります。

Webサイト制作会社とインハウスデザイナーの説明を聞いた後だと、制作経験も実績もない未経験者が「Webサイト制作を学んだ」というだけで、いきなりフリーランスを目指すのは現実的ではないなと感じました。

ここが辛かった:向いてないと感じたポイント

授業が進むにつれ、「私、Webサイト制作に向いていない」と気づくことに……
理由はシンプルに「コーディングとプログラミングが、好きじゃない」。

デザインを考えるのは好き!でも、実装するのは…

ワイヤーフレームを作り、色や構成を考え、試行錯誤する。
どんなサイトにするかを考える、デザイン業務はすごく楽しかったです。

でも、それを実際に形にするためのコーディング作業が絶望的に向いてなかった。

向いてないと感じた理由

・JavaScriptとPHP構文を解読したくない
・かといって、コピペで対応しきれるものではない
・細かいバグ修正がストレス

要するに、プログラミング作業は面倒くさいなと。
さらに、一日中パソコン作業を続けるうちに、肩に激痛が発生。
「このまま就職して、毎日これを続けるのか?」と、想像しただけで気持ちが沈む……

理解できるけど、覚えたくない。
スキルとして身につけたいとは思えない。
そんな気持ちが、授業が進むにつれて強くなっていきました。

「向いてない」というよりも、ハッキリと「仕事にしたくない」と思ったんです。

「何も知らない」から「現実を知る」に成長した!

というわけで、私の「Webサイト制作を仕事にする」という未来は、ここで完全に消えました。

・じゃぁ、最後まで通ったのは時間の無駄だったのでは?
・Webサイト制作業に就こうとしたこと自体が失敗だったのでは?

そう思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

「好き」と「嫌い」を知ることができた

繰り返しになりますが、プログラミングの作業は嫌いだし、仕事にしたくありません。

だけど、デザインの部分は好き。
だからもし、「デザインまででいいです」というクライアントが現れれば、コーディングまでの作業だけを仕事にすることができるのです。

割り切って、「Webサイトデザインのみ承ります」と声を上げれば仕事になるかもしれない。
作業的には業務全体の半分になるから、フリーでやっていく難易度も半減する。

Webサイト制作業に就く場合の、「働き方の方向性を明確にできた」という点では大収穫です。

最後までやり切ったからこそ、判断できた

もし独学だったら、もっと浅い段階で投げ出していたかもしれません。
「向いてない」と確信するまでに至らず、心残りを抱えて諦めていたかも。

職業訓練校でカリキュラムを最後までやりきったからこそ、「向いているかどうか」判断できたと思います。

まとめ:向き不向きの判断場所としても、超アリ!

私は職業訓練校に通ったことで、

・目指す職業は、イメージだけでなくリアリティを持って考えること
・「好き&やってみたい気持ち」と「向いている」は別問題

この2つを身をもって理解しました。

もし、いきなりWebサイト制作関連の仕事に就職していたら……
性格上、「未経験だけど雇ってもらえたし頑張ろう」と頑張り続け、とんでもないことになっていたかもしれません。職業訓練校へ通ったからこそ、早い段階で軌道修正できたと感じています。

職業訓練校はただのスキル習得の場ではなく、「自分の適性を知る場」でもある。

そういう意味で、とても価値ある場所だと、心から思います。