【体験談】職業訓練校を卒業したら就職しなきゃいけない?卒業後の進路と就職圧のリアル

職業訓練校体験記
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・職業訓練校を卒業したら、必ず就職しなきゃいけないの?
・就職できなかったらどうなるの?

そんな不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。

訓練校は基本的に「就職支援」を目的とした施設です。
が、卒業後の道は就職だけではありません。
私自身も、「開業届を出してフリーランス準備をする」という道を選びました。

とはいえ、訓練中に「就職しろ」という圧を感じる場面があったのも事実……

そこで、この記事では、私が体験した就職圧のリアルと、そこから学んだ焦らず自分らしい未来を選ぶ大切さについてまとめます。

これから職業訓練校に通う方にとって、心構えの参考になれば嬉しいです。

職業訓練校は「就職支援施設」という位置づけ

職業訓練校は、ハローワークと連携して「失業者の早期再就職支援」を目的に運営されている制度です。
基本的には「就職ありき」の前提でカリキュラムが組まれていて、国の予算もこのために使われています。

でも、自分の進路は自分だけのもの!
卒業後の道は就職にとらわれず、自分で考え、納得いく選択をすべきです!

卒業後はどうなる?進路の選択肢まとめ

卒業後の進路は主に3つです。

1:訓練中または卒業後に就職する
2:個人事業主やフリーランスになる
3:未就職

1:訓練中または卒業後に就職する

最も多いパターンがこれ。
ハローワーク、訓練校、国が推奨し、喜ぶ道もこれ。

厚生労働省の調べでは、公共職業訓練の修了者の7〜8割が卒業後に就職しているそうです。

正社員としての就職が叶わなくても、非正規や契約、バイトで。
希望の職に就けなくても、違う職種で。

卒業後すぐではなくても、新たに雇用契約を結び、働き始める人が圧倒的に多いです。

2:個人事業主やフリーランスになる

就職せずに、自分で起業する人もいます。

実は起業するのはめちゃくちゃ簡単で、税務署に「開業届」を提出するだけ。
開業届の提出に、ややこしい書類や難しい審査などはありません。
収入どころか、収入につながるような活動をしてなくても届けさえ出せば「起業した」ことになります。

私は訓練校卒業後、すぐに企業に就職する道ではなく、「開業届を出してフリーランス準備を始める」という選択をしました。

▶︎開業届を提出したときの話はこちらで詳しくまとめています

3:未就職

中には、就職をしない人もいます。
ただ、卒業生の7〜8割が就職することを考えると、「就職先が見つからない」というよりも、

・介護や育児など、家庭の事情で就職が難しくなった
・引越しや結婚、入院など、生活環境が大きく変わった
・「もっと勉強がしたい」と、専門学校や民間スクールに通いはじめた

といった、生活環境や意識変化からくる事情の方が多いんじゃないかなと思います。

卒業後は、進路を学校に報告する必要あり!

訓練校卒業後、いずれの道を選んだとしても、それを「就職状況報告」という専用書類に記して学校に提出する義務があります。

なぜ?就職状況を報告する理由

職業訓練校は「卒業後3ヶ月以内に就職すること」を前提として入校するため、卒業後3ヶ月間は定期的に学校に就活状況を報告、もしくは訓練校から連絡が入ります。

これは、学校と、就職支援制度による就職率を正確に把握するため。
そして、就職できていない生徒に適切な支援を行うための、必要な情報を得るためです。

連絡を無視し続けていると、ハローワークや訓練校を飛び越え、管轄の都道府県から直接連絡が来ることに。最終的には給付金の支給停止や返還を求められることも考えられます。

はじめにも書きましたが、卒業後の進路報告は訓練生の義務。
就職する・しないに関係なく、きちんと対応して下さいね。

そして、この制度もまた、「就職圧」と言われる理由の一つだったりします……

私が通っていた学校は、「卒業後は隔週で就活状況をメールすること」と、終了式の日にアナウンスがありました。

訓練校ではどんな「就職圧」があったか?

卒業後の進路は自由……
とはいえ、訓練中に「就職しろ」という空気を感じる場面も多々ありました。

ハローワーク事前調査で「3ヶ月以内に就職しろ」宣告

ハローワークでの事前調査で、「訓練校を卒業して、もう一度ゆっくり考えて、半年以内に再就職したい」と伝えたら「訓練に行けるのは卒業後3ヶ月以内に就職する意思のある人だけ」と忠告された

入校面接で「訓練中から就活しないと再就職は無理」と忠告

入校面接で「カリキュラムを全て終えてから、腰を据えて自分の希望に沿った就職先を探すつもり」と伝えたら「カリキュラムを最後まで受けるなんてのんびりしていたら再就職は無理。訓練期間中から就活しなさい」と忠告された

初日から誓約書にサイン…プレッシャーMAX!!

入校式のときに「皆さんは、『訓練終了後3ヶ月以内に就職する意思がある』という条件の元、学校に来るようになったので、卒業後3ヶ月以内に就職するようにしてください」と言われた&誓約書も書かされた。

担任から内定速報&就活促進アナウンスの嵐

定期的に担任からクラス全体に「〇〇で求人がかかってる」「隣のクラスで内定者が出た」「この時期になると内定者が出てくる」など、就活を促すアナウンスがある

卒業後に待ちうけるのは、絶対に逃げられない「就職調査」

卒業後3ヶ月間は、「就職調査」という名目で、定期的に就職状況を報告する義務がある。絶対に逃げきれない。

個人的には、事前面接と入校初日の誓約書はかなり圧を感じました。

正直、面接後は合否を待たずして

「やっぱり早まったかも。そんな早く就職する覚悟はない。入校辞退の連絡しようかな」

と、かなり悩んだし、誓約書を目にした時は

「これで就職しなかったら契約違反だよな……グループワーク始まったら自主退校する?」

なんて考え、不安な気持ちいっぱいでサイン。

ただ、訓練校側も「就職率」が求められているため、こうした行動は当然と言えば当然なんですよね。

でも「無理やり就職させられる」わけではない

就職圧はあるものの、無理やり就職させられることはありません。
最終的にどこに就職するか、そもそも就職するかどうかを決めるのは自分自身です。

焦って「なんとなく就職」すると、結局またすぐに辞めたくなったり、転職を繰り返したりするリスクもあります。

就職プレッシャーにどう立ち向かうべきか?

職業訓練校には「卒業後に就職をする」前提で入校します。
事前に念押しがあるし、誓約書も書かされる。
それに、クラスメイトの大半は、訓練と並行して転職活動をしています。

就職退行者が出ると、休み時間は

・どれくらい面接行ったんだろう
・のんびり授業を受けてる場合じゃないかも
・私はまだ希望職も決められてない
・今のスキルでどこに応募すればいいんだろう
・どんどん就職して、教室に一人だけ残ったらどうしよう

と言った話題一色で、焦るなと言う方が難しいかも。
それでも、大切なのはそういった雰囲気に流されないこと。

就職は「ゴール」じゃなくて新しいキャリアの「スタート」!

重要なのは「就職すること」ではなく、「就職後、前の仕事では叶えられなかった希望を叶えること」。

それは、収入&待遇UP、休日事情、残業事情、業務内容、通勤問題、人それぞれ。
訓練を通してまずは

・自分はどんな仕事をしたいのか
・どんな働き方をしたいのか

・1年後、3年後、5年後にどうなっていたいのか

これらを明確に言語化できるようにしてください。
そうすれば、自分がどんな会社に就職したいか。
もしくは、企業の道に進むべきか。
自分のキャリアプランが見えてくるはずです。

それが見えれば、周りの意見はもちろん、学校からの就職圧も気にすることなく、「今やるべきこと」に集中できるはず。

就職圧に負けて、「入れそうな」会社に応募し、採用され、「なんだか違う…」となるのだけは絶対に避けましょう!

就職へのプレッシャーは学校・担任によって違う

私が通った訓練校は、入校面接と入校初日の就職圧がものすごく強かったです。

ですが、講師の先生や担任は、比較的「起業もあり」というスタンス。
「就職にこだわらず、自分に合った最適な道を選びなさい」と何度も口にしていました(そして「これ絶対、『〇〇先生がこう言った』て言わないでね。学校に怒られるから。」とも言っていた。笑)。

終了式でも「必ず就職しなければいけないわけじゃない。卒業後に起業した人も何人もいる。起業したいならその相談にも乗る」とも言ってくださいました。

でも、ネット上では「就職しないと怒られる」「とにかく早くどこでもいいから就職しろと言われた」「偉い人が出てきて圧がやばい」という声も見かけます。

就職への圧力は、学校や担任によって温度差が大きいのが現実です。

事前に訓練校の説明会や口コミで、「どんなスタンスの学校か?」を確認しておくと、ミスマッチを防げるんじゃないかと思います。

そういう意味では、私が通った学校(担任?)は、良い意味でミスマッチでした。
終了式での言葉は個人事業主になる後押しにもなりましたしね。

まとめ:焦らずに、自分のペースで未来を選ぼう

職業訓練校は、「就職できればゴール」という場所ではありません。
自分が納得できるキャリアを作るためのスタート地点であり、未来の選択肢を広げるための準備期間です。

焦る必要はないし、無理やり流される必要もありません。
プレッシャーに負けず、あなたのペースで未来を切り拓いていきましょう!