【体験談あり】失業保険手続きの流れ・受け取る条件・実際に受け取った金額も教えます!

お金のこと
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2024年9月に会社を退職した私は、その後しばらくの間は失業給付金で生活していました。

「失業給付金」と言われるとピンとこなくても、「失業保険」と言われれば、なんとなく聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

この記事では

・失業給付金の制度について
・受け取るための条件や手続きの流れ
・実際に受け取った金額と、生活の様子

この3つについて、できるだけわかりやすくまとめてみました。

これから退職する人、退職を迷っている人の参考になれば嬉しいです。

はじめに:失業給付金とは?

会社を辞めて収入がなくなると、生活するのに困りますよね。
そこで、次の仕事に就くまでを想定した期間は、国から生活費を支援してもらえます。

これが失業給付金、一般的に失業保険と呼ばれる制度です。

ただし、定年退職などで「すぐに再就職する予定がない人」や「年金生活に入る人」は対象外になります。「次の仕事を探している人」が対象で、受給条件に「長期間働く意思を持って仕事探しをしてること」が含まれます。

失業給付金を受け取れる条件

失業保険を受け取るためには失業前に一定期間雇用保険に加入している必要があります。

雇用保険とは

雇用保険は失業したときに備えて設けられている保険制度です。
会社員の方は、給与明細に「雇用保険」という項目があるか見てみてください。
毎月その項目で、少額が天引きされているはずです。

雇用保険の額は、社員と会社、双方が負担しています。

この、労働者と事業主、両方から集めたお金を、「失業給付金」として、退職し、職探しをしている人に渡しています。

なので、失業保険を受け取るには雇用保険の加入が必須
要するに、退職して失業すると、その時のために掛けておいた保険金が支払われるということです。

注意:社会保険と雇用保険は別物

社会保険に加入していると雇用保険にも加入していると思ってしまいそうですが、社会保険と雇用保険は別物です。明細に雇用保険の文字があるか確認しておきましょう。
アルバイトやパートは条件によって加入できたりできなかったりします。

▶︎詳細はこちらの記事で。

一定期間の加入期間が必要な理由

たとえば労働者Aさんが、1ヶ月働いてすぐ退職し、失業給付金をもらえたとします。

・Aさんが収めた雇用保険料は1ヶ月分だけ
・でもAさんは何十万円もの失業給付金を受け取れる

Aさんのような人が何人もでてくると、雇用保険として入ってくるお金と、失業保険として支払うお金のバランスが崩壊して成り立ちません。
なので、「ある程度の期間雇用保険料を支払った人」だけが、失業給付金を受け取れる仕組みになっています。
この期間は、直近2年間で、12ヶ月間以上と決められています。

「会社が倒産した」など、労働者自身ではどうすることもできない理由で失業した場合は、直近1年間で6ヶ月以上に短縮されます。

失業給付金としてもらえる金額は?

ハローワークのサイトに詳しく書かれていますが、

原則として1日の失業保険額は離職した日の直近半年間に毎月決まって支払われた給与の合計を180で割って算出した金額の50〜80%となっています。

そして、年齢ごとに上限が決まっていて、この金額×1ヶ月分が月に一度指定した口座に振り込まれる仕組みです。

私の場合は、月20万円ほどでした。
▶︎詳しくはこちらの記事で

失業給付金を受け取るための手続き

失業給付金を受け取るための手続きは、めちゃくちゃ簡単です。

1.退職後にハローワークに行き、「失業保険の手続きがしたいです」と伝える
2.「離職票」などの必要書類を提出し、手続きを進める

3.指定された日まで待つと、支給が始まる

以降は毎月決められた日にハローワークに行って「仕事探してるけどまだ決まらない」と伝えることで、最大4ヶ月間失業給付金をもらうことができます。

手続きに必要な書類は?

・離職票(1と2)
・本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)
・印鑑(不要な場合もありますが、シャチハタ以外の印鑑を持っていくと安心)
・本人名義の銀行口座情報(給付金を振り込む銀行口座の通帳やキャッシュカード)
・縦3cm×横2.5cmの写真2枚(書類作成に必要な場合があるので、持っていくと安心)

離職票とは、退職後に会社から郵送で届く書類です。
「1と2ってなに??」と思うかもしれませんが、実際に届いたものを見ると「これのことか」とわかります。
どちらもハローワークに提出が必要なので、2枚セットで大事に保管しておきましょう。

地域によって多少異なることもあるので、心配な人はあらかじめハローワークの公式サイトや電話で確認しておくと安心です。

行けば何とかなる!

初めて給付を受ける場合は、何もわからなくて不安になるかもしれないけど、

ハローワークに行って総合案内にいる職員さんに「退職したので失業保険の手続きをしたいんです」と言えば、「でしたら〇〇に行って〇〇してください」という感じで、どこに行って何をすればいいか教えてもらえます。

私は今回、2回目の失業給付金手続きでしたが、前回から間が空きすぎてて要領がわからなかったので、実際にこうしました。

怖がらず、安心してハローワークへ行ってくださいね。

自己都合退職と会社都合退職

仕事を辞めた人は、「自己都合退職者」と「会社都合退職者」の2種類に分かれます。

自己都合退職

自分の意思や都合で退職した人のこと。
自分から会社に対して辞めると意思表示して退職した人自己都合退職となり、手続きから2ヶ月間は失業給付金が受け取れません。この期間を給付制限期間と言います。

会社都合退職

これに対し、会社の倒産やリストラなど自分の意思とは関係なく会社の都合で退職することになった人、理由もなく会社から退職を言い渡された人会社都合退職となります。

退職したくて退職したわけではない、彼ら自身に何らかの責任があって失業したわけではないので、給付制限期間がなく、失業給付金の給付日数や給付額でも優遇されます。

なぜ給付制限期間があるのか

ではなぜ自己都合退職だと給付制限があるのか。
以下、AIによる回答。

自己都合退職の場合、会社都合退職と比べて、失業者の意思責任が大きいため、給付開始を遅らせることで安易な離職を抑制し、その間に求職活動を行うことを促しています。

だ、そうです。

自己都合退職でも、労働条件違反やパワハラが原因で退職した場合はハローワークで相談すれば会社都合退職になることもあるらしいけど、証拠が必要かも。

私は過去に入社時と労働条件が変わったことが理由で退職したことがありますが、自己都合扱いだったのでハローワークで手続きの際に「実際はこういう理由なんだけど会社都合にならないですか?」と聞いたら「労基に相談して色々書類揃えたり話し合いをすれば通るかもしれないけど、時間かかりますよ?どうします?」って逆に聞き返されて、なんだか面倒そうだったのでやめました。

【超重要】2025年4月から失業給付金の制度が変わります

「給付制限期間」というルールにより、失業給付金の申請をしても、実際振り込まれるまで2〜3ヶ月かかっていたのが、2025年4月に失業給付金の制度変更により、少しだけ短縮されました。

自己都合退職者の給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月へと短縮

先にも説明したように、自己都合退職の場合これまで2ヶ月間の給付制限期間がありました。

仕事を辞めて2ヶ月の給付期間が明けると、約1ヶ月後にようやく給付金が振り込まれる…
つまり、仕事を辞めてから実際にお金を受け取るまで約3ヶ月かかっていました。

それが2025年4月から、自己都合退職者の給付制限期間が1ヶ月に短縮。
お金を受け取るまでの期間も、3ヶ月から2ヶ月と短縮されることになります。

どうして短縮されるのか?

一度入社したら定年まで同じ会社で働くのが当たり前だった昔に比べて、現代は労働者側が自分の働きやすい環境を求めたり、キャリアアップのために転職するのが当たり前の時代になってきました。

なので、政府としてもそういった転職者を支援するために改善されたようです。

転職活動が盛んになるといわゆるブラック企業からは人材が流失しまくって会社として成り立たなくなることも十分に考えられます。そうやって、質の悪い会社を淘汰し、よりよい企業だけを残すという企みもあるとかないとか…信じるか信じないかはあなた次第…

転職が難しくなるかも?

この制度改正で、一時的に退職者が増えて、転職が難しくなるかもしれません。
詳しくはまた、別の記事で。

まとめ:失業給付金は利用すべき制度!

後ろ向きで会社を辞めた直後は、気持ちも不安定だし、手続きも面倒に感じるかもしれません。

前向きな気持ちで会社を退職した場合も、「自分のやりたいこと」が先行して、手続きを後回しにしてしまうかも。

でも、失業給付金は絶対に利用した方がいい制度。
失業給付金が振り込まれるまでは日数がかかるので、不安でも面倒でも、退職後はなるべく早めに手続きをしに行ってくださいね。