私は36歳で初めて正社員になりました。
求めていた「安定した仕事」を手に入れたはずが、そこで経験したのは
・上司のパワハラ
・人間関係のストレス
・人手不足による激務
「正社員として安定した職に就けた」と思ったのも束の間。
この三重苦が積み重なり、心が少しずつ削られていったのです。
この記事では、私の体験をもとに、
・今すぐ辞めるべきブラック企業の特徴
・退職に迷ったときの「辞めどき」の見極め方
をまとめています。
会社を「辞めたいけど、踏み出せない…」と悩んでいる方にとって、判断のヒントになれば嬉しいです。
今思えば、わかりやすい「ブラック企業」だった
私は36歳で、人生で初めて正社員として採用されました。
正社員経験ゼロで、これといった資格なし。
生粋のフリーターだった私が、面接1社目で内定獲得。
「私の人生、運がいい!」
そうやって浮かれていた私を待っていたのは、悪夢の始まりでした。
ブラック案件1:上司のパワハラが常態化
入社初日の朝礼後、 目に飛び込んできたのは、営業部長が部下を恫喝する姿。
あまりにも口汚い言葉に「ここはヤバい会社だ」と直感しましたが、
「初日から辞めるというのは社会人としてどうなんだろう?」
という謎の社会人精神を発揮し、ひとまず様子を見ることに。
しかし、初日の直感は見事に的中。
営業部長は毎日のように怒鳴り声をあげ、自分の都合で雑務を押し付け、結果がどうであろうが部下を罵倒。 誰も止めないし、誰も逆らえない。
私は営業部ではなかったため日常的なパワハラはなかったものの、
・営業部が理不尽に怒鳴られるたびに気が滅入る
・雑務が回ってくるたびに「怒鳴られないように」ビクビクしながら仕事をする
そんな毎日を過ごしていました。
ブラック案件2:人手不足による重労働が当たり前
営業部長の存在が原因で、私の入社後2年間で7人が辞めていきました。
でも、その分を補充することも、仕組みを見直すこともない。
常にギリギリの人数で回すのが当たり前。
一人当たりの職務負担は大きく、ミスをすれば個人の責任。
改善も対策もなく、ただ「今いる人間でなんとかしろ」という空気。
そしてさらに厄介だったのが、辞めるためには
「営業部長に退職を伝えなければならない」
というルール。
誰もがそのプレッシャーに屈し、退職理由を偽って去っていきました。
そして営業部長本人は自分が原因と知りつつ、それを上に報告せず握り潰す。
この会社はおかしい。
そう思っても、簡単には辞められなかったのです。
心が壊れかけて、やっと気づけた「自分を守る選択」
そんな毎日を続ける中で、私もすっかり営業部長に萎縮し、「ただ怒鳴られずに1日を終えること」だけを考えて仕事をしていました。
心身ともに限界だと気がついたのは、ある朝の通勤中。
電車通勤だった私は、ホームで電車を待ちながら
「このまま、線路に飛び込めば、理不尽に怒鳴られずに済む。楽になれる。」
そんな考えが頭をよぎり、そして、目が覚めました。
「なぜ私は、あんな人間のせいで、人生を終わらせようとしているんだ?」
「死ぬ覚悟があれば、会社なんて簡単に辞められるのに!」
この時、こう思った自分に、今でも感謝しています。
二転三転の末に迎えた結末
そこから私は、2度に渡って退職の意向を営業部長に伝えました。
しかしその度に話はすり替えられ、言いくるめられ、うやむやに。
この頃にはもう、「怒鳴られたら辞めると言うだけ」と腹を括ってもいたので、部が悪いと察したのか営業部長の私に対する態度もほんの少しだけマシになっていました。
そして訪れたれ3度目の「退職話」。
朝礼もすっぽかして押し問答は過去最長の3時間にも及びました。
最終的には私の気力が尽き、またしても退職話は見送りに。
けれど、常な長時間離席で「ただ事ではない」と、社長が判断。
私と営業部長、それぞれが個別に社長と面談することに。
営業部長がどう話したのかは知りませんが、最終的に「営業部長に私との接触禁止を命ずる」という結論が出て、私は彼と距離を取ることができました。
退職する意思を保留に
営業部長を除けば、職場環境はそこまで悪くなかった。
好きな業務内容で、やりがいもある。
会社から評価され、昇給&昇進もしている。
「ここで辞めたら、もう二度と正社員になれないかもしれない」
そんな不安もあり、「あの人と関わらなくて良いなら」と、退職を一旦保留にしました。
「あの上司がいなくなれば平和」…は幻想だった
そんなある日、営業部長が会社から去ることに。
まさに青天の霹靂。
恫喝され続けた社員一同が心から願っていた
「会社からいなくなればいいのに!」
という、叶わないと思っていた夢が叶ったのです!
社内の空気が明らかに軽くなり、気持ちも晴れやかに。
・これからは、何にも怯えず、のびのびと働ける!
・この会社、良くなるかもしれない!
平穏な日が続くと思われたのですが……
悪しき習慣は断ち切れない
営業部長の後任として、私の同期が昇格。
これまで散々押さえつけられ、嫌な思いばかりさせられ、苦しめられてきた。
「あんな上司は嫌だ」「いなくなればいいのに」と、不満を言い合っていた。
それなのに、役職を手に入れた途端、態度が豹変。
かつての理不尽を、そっくりそのまま後輩たちにぶつけ始めたのです。
もちろん、役職が下となった私も例外ではありません。
残った社員一同、「後任営業部長」への不満で一致団結し、悪態をつきまくる日々が始まりました。
「辞めどき」はいつ?私の失敗と、学んだ判断基準
ブラック企業で働いていると、「今すぐ辞めた方がいいのはわかってるけど、生活もあるし、簡単には動けない」という葛藤がつきものです。
私自身も「死ぬ気になれば辞められる」と極端な思考に陥って、ようやく自分を守る決断ができました。
ただ、今なら思います。
そこまで追い詰められる前に、辞めてよかったんだよ。
判断基準1:健康に異変が出ている
厚生労働省が運営する「こころの耳」というサイトでは、以下の様な状態が続く場合、自身の状況を客観的に見つめ、必要であれば専門家への相談や退職を含めたキャリアの見直しを検討するよう伝えています。
・憂うつな気分が続く
・今まで楽しめていたことが楽しめなくなった
・決断することが難しくなった
・眠れない、寝てもすぐに目が覚める
・食欲がない、または食べ過ぎる
・仕事の能率が著しく低下した
・趣味への関心がなくなった
・動悸や息切れ、頭痛、腹痛、吐き気などの体の不調が続く
・死について考えることがある
私にも、当てはまる状態がいくつもありました。
出勤中に「電車に飛び込めば、もう怒鳴られなくて済む」と考えたあの瞬間。
あれはもう、完全に限界だったんだと、今ならわかります。
判断基準2:「ブラック企業の定義」に当てはまる
厚生労働省は、いわゆる「ブラック企業」について、明確な定義をしていませんが、主な特徴として以下の3点を挙げています。
・労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
・賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
・上記のような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
ここから、より具体的にブラック企業の特徴を挙げると
・長時間労働が常態化している
・残業代が支払われない(サービス残業)
・有給休暇を取得させてもらえない
・ハラスメント(パワハラ、セクハラなど)が横行している
・離職率が異常に高い
・雇用契約や労働条件が曖昧、または一方的に変更される
・社員の意見を聞き入れない、風通しの悪い社風
・コンプライアンス意識が低い
私の会社は特にパワハラがひどくて、それに付随して長時間労働・離職率・社員の意見を聞き入れない・コンプライアンス意識が低い……という感じでした。
判断基準3:第三者の意見を聞く!
判断基準に当てはまっても、なかなか退職に踏み切れないかもしれません。
そんな時は、第三者に後押ししてもらいましょう。
下記は、私が退職に悩んでいた時に観て、退職を決意した動画です。
3つともすごくわかりやすく、論理的に「辞めた方がいい」と説明してくれてます。
まとめ:限界を迎える前に、考えてほしいこと
私自身も、かつては「辞めるなんて無責任だ」と思い込み、苦しい中でも踏ん張り続けていました。
でも、心身を壊すまで働き、辞めたから言える。
自分を守るための退職は、立派な“前向きな選択”
死ぬほど辛い環境に耐え続けるより、一歩外に出た方が人生は確実に動きます。
今もし、過去の私のように「このままじゃ壊れてしまいそう」と感じているなら、あなたの直感を信じてください。
誰に何を言われても、あなたの体と心を守れるのは、あなただけです。
無理を重ねて働く先に、幸せはありません。
「これはもう限界かも」と感じているなら、それが辞めどきのサイン。
心と体が壊れてしまう前に、「辞めるべき会社」から離れる勇気を、どうか持ってほしい。
それは逃げではなく、自分を守るための「前向きな決断」です。
▶︎ここから、実際に会社を辞めるまでの話はこちらにまとめています