【初心者必見】クライミングでよくある6つの悩みとその対処法

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クライミングを始めてみたけど、

・他人の視線が気になる
・すぐ腕がパンパンになる
・全然上達してる気がしない

……そんな悩みを抱えて、モヤモヤしていませんか?

安心してください。
その悩み全部、誰もが通る道です!!
なんなら、私はクライミング歴9年目だけど、今だに同じ悩みを抱えて登っています!(笑)

誰もが通る道だからこそ、万人に通用する対策があって、それを知っているだけで気持ちが楽になる。

この記事では、クライミング初心者がつまずきがちな6つの悩みと、その解決策をわかりやすく紹介します!

悩み1:他人の目が気になる・恥ずかしい

どこのクライミングジムにも、激ツヨの常連さんがいます。
そして初心者は、そのレベルの差に圧倒されがちです。

・自分の下手な登りを見られるのが恥ずかしい
・あんな上手い人の次に登りたくない
・失敗したらどう思われるだろう?
・登りを邪魔したらどうしよう?

……なんて考えて、登ることに萎縮しがちです。

解決策:集中力を身につける

結論から言って、慣れるしかない!

こういうことを気にするのは性格の問題なので、どんなに上手くなっても”気になる人”は気になるままです!
私がそうだから、断言できます!(笑)

でも、回を重ねるうちに、「恥ずかしい」より「今日の成果を持って帰りたい!」っていう気持ちが強くなってくるはず。
そうなれば、人が多くても、誰かに見られてたとしても、登れるようになります。

それに、他人の視線を気にしてるということは、課題に集中できてないってこと。
だからまずは、壁の前に立ったら課題攻略で頭をいっぱいにしてください!

そうして集中力を上げていけば、少しずつ気にならなくなってきますよ。

むしろ、「見られる人」を目指すべき!!

ジムに通ううちに気づくと思いますが、クライマーが注目するのは初心者ではなく上級者です。

クライミングは、「どう登れば課題を攻略できるのか?」を考え続けるスポーツ。
課題を前にしたクライマーは、それしか考えてないといっても過言ではありません。
攻略のために他人の登り方も参考にすることもあります。

つまり、注目するのは「同じ課題に取り組む人」や「上手な人」。
あなたが初心者なら、視線の理由は高確率でこの2パターン。

・同じ壁にある攻略中の課題をイメトレされてる
・「自分も初心者の時はあんなだったな」と懐古されてる

初心者でも、下手でも、馬鹿にされるなんてことは絶対にありません!

激ツヨの人たちだって、数えきれないほどの失敗と落下を繰り返して強くなっています。
だから気にせず、自分の登りに集中して、どんどんトライすること。

そして、本当の意味で「見られる側」のクライマーになりましょう!

ちなみに、「強い人」とは、登りが上手な人や、根性を見せる人のこと。
クライマーは「すごい!」のテンションで「つよいっ!」って言いがちです(笑)

悩み2:「怖い」が理由で登れない

クライミングにおける「怖さ」は主に3つあります。

・高さが怖い
・ムーブ(登り方)が怖い
・高さ×ムーブの二段構え

これは「落ちたら怪我をするかも」という心理的な反応なので、ある意味で必要な感情でもあります。

ジムの壁はおよそ3m前後。
ゴールに近づくほど落下時の高さも上がってくるし、初心者の頃はマットが敷いてあっても、やっぱり怖くて飛び出せないものです。

どこでも飛び出してくクライマーは、仲間内で「頭のネジ飛びすぎ」って恐れられます(笑)

解決策:落ちることに慣れる

正直、これも慣れるしかありません。

課題をこなしていけば、オブザベ(登る前の観察)で落ちそうな箇所が予測できるようになります。
予測ができれば、ある程度覚悟を持って飛び出せる……はず。
それを繰り返し、落ちることそのものに慣れるのが一番の解決策です。

ちなみに私はクライミング歴9年ですけど、いまだに慣れてません。
むしろ、歳を重ねて慎重になった分、怖さが増しました。
それでも続けてるんだから、ある意味「ネジが飛んだ」一人なのかも(笑)

悩み3:手汗で滑って登れない

世の中には、2種類の人間がいます。
手汗をかく人と、手汗をかかない人。

このうち、手汗をかく人は、「ヌメり手」と呼ばれ、悲しいことに重い枷を背負ってクライミングをしているようなもの…

なぜなら、手汗で滑ってホールドが持てなくなるから。
ザラザラして、摩擦力があるはずのホールドなのに、手汗で滑って持てない。
そして時に、その手汗は他のクライマーにも牙を向きます。
ヌメリ手さんが登った後のホールドは、残り香ならぬ、残り汗で滑って持てない

ウソみたいだけど、本当にあるんです。

手汗は体質の問題なので、初心者だけでなく上級者になっても悩まされる問題であることを覚悟してください!

解決策:チョークと冷感アイテムで手汗ケア

クライミングで手汗対策といえばチョーク。
チョークは手汗や湿気を吸収して手を乾いた状態に保つための粉で、クライマーにとって必須アイテムです。

ところが、ヌメリ手さんにとっては話は別。
チョークをつけても、つけても、消えていく…
本来チョークのついた手は真っ白になるはずなのに、湿り気のある肌色のまま……
つけたチョークは、水に溶ける砂糖のように跡形もなく消えていく。

摩訶不思議。

「糠に釘」ならぬ「ヌメリ手に粉チョーク」。
ということで、粉チョークと液体チョークを併用している姿をよく見ます。

液体チョークは粉よりも密着力が強く、成分中に含まれるアルコールが気化することで手のひらの水分を飛ばしてくれる…という効果があるらしい。
液体チョークで手の水分を飛ばして、そこに粉チョークを乗せる、というのがスタンダードな方法みたいです。

登ってると秒で手汗復活するらしいんですけどね。

あとは、チョークをつける前に手を洗って体温を下げたり、冷感シートや汗拭きシートで対策するそうです。

私は手汗をかかないタイプなので、これらは体験談ではなく周囲のヌメリ手クライマーから聞いた話ですが、ヌメり手は、どんな悩みよりも深刻かもしれません。

クライミング女子世界最強と言われるヤンヤ・ガンブレット選手が、昔リードクライミングの試合序盤でチョークバックを落とすというトラブルに見舞われたことがありました。が、物ともせず完登。度肝を抜かれました。ボルダーでもリードでも、試合中一度もチョークアップしない選手を見たのはあれだけです。

ちなみに…

ホールドが滑る原因は手汗だけじゃありません。

・ホールドにチョークが残りすぎていて摩擦が効かない
・そもそも摩擦力がないホールドである(近年登場した恐怖のホールド)
・力をかける方向が間違ってる

こういった理由でも滑るので、ヌメり手でない人も気をつけてくださいね。

悩み4:筋肉痛・腕のパンパン感がすごい

クライミングでは、トライ後にパンプと呼ばれる、腕がパンパンに張る現象がしばしば起こります。

初心者はこの頻度が多くて、つらい……

登りたくても腕に力が入らず登れない。
周りのペースについていけない。
正直、落ち込みます。

そしてもうひとつ、避けて通れないのが筋肉痛。
特に、クライミングは自分でも気づかない筋肉まで使うので、初心者のうちは運動習慣のない人はもちろん、運動習慣がある人でも予期せぬ部位の筋肉痛が待ちかまえています。

帰宅するための車のハンドルを握る手が震える、帰宅後に料理を作ろうとしたら包丁を持てない、なんてことも起こります。

解決策1:疲労感のない登り方を身につける

結論、慣れるしかない!またか!

「腕力がないと登れない」と思われがちなクライミングですが、実際に多用するのは脚力です。
腕よりも大きく、パワーのある脚力をいかに使えるかが上達のカギ。
足の力で全身を支えながら、背筋・腹筋・腕といった筋力をバランスよくプラスしていく。

そういう登り方を身につければ、腕のパンプが起きにくくなり、筋肉痛も軽減されるようになります。

解決策2:レスト時間が超重要!!

レストというのは、文字通り休憩すること。

「他の人は連続で登ってるのに、私だけ長時間休んでる…」

その焦る気持ち、めちゃくちゃわかります。
でも、疲労感が残ってると力を出しきれません。
次の日への影響も強く出ます。

しっかり休む方が結果的に長く楽しめるので、最初のうちは「クリアできない箇所があれば、1トライごとに10分休む」くらいでいても大丈夫!

むしろ、最初のうちからレストを癖づけることで、故障を回避することにも繋がりますよ!

筋肉痛は、ストレッチやクールダウン、マッサージなどのセルフケアでも軽減できます。
クライミング後は、温かいお風呂に浸かって、疲労物質を流してあげるイメージで筋肉をゆっくりほぐすのがおすすめ。
私は飲んでないけど、プロテインも効果があるみたいですよ。

私は初めてクライミングした翌日、起き上がれないくらい全身筋肉痛に襲われました。
背中とお腹が痛くて起き上がれない。起き上がったら今度は足と腕が痛くて動けない。
間違いなく、人生でいちばん辛い筋肉痛でした。その翌週、「またあの筋肉痛が待ってるのか…」という恐怖を抱えながら二回目のクライミングをしにジムへ向かったことは一生忘れません(笑)。

悩み5:指が痛い・指皮がボロボロになる

クライミングを続けていると、手や指の皮膚が硬く、分厚くなります。

だけど、初心者のうちは指皮が育ってないので

・ホールドに触るだけでジンジンする
・皮がめくれてヒリヒリする
・手のひらや指先がボロボロになって、人前で見せたくない

こんなのは日常茶飯事です。

正直なところ、クライマーと指のトラブルは切っても切り離せない問題。
「体は元気でやる気もあるのに、指が痛くて登れない」というのは、何よりもクライマーを落ち込ませます。

解決策1:痛みには「回復時間を与える」のが最強

筋肉痛やパンプと同じく、指が痛いときは潔くレストするのが一番の解決方法!

・登りすぎた翌日はジムに行かない
・連登はできるだけ避ける
・「強傾斜は3トライまで」

・痛みが出たら、治るまで登らない

といった自分ルールを作り、なるべく指への負荷を減らしてください。
指の痛みを無視して登り続けると、慢性的に痛むようになったり、関節が変形したりして、日常生活に支障をきたすかも。
最悪の場合、クライミングをやめざるを得なくなりかねません。

初心者のうちから「痛みを感じたらすぐに休む」というのを合言葉にしてください。

解決策2:ハンドケアで“指皮の育成”をサポート

指皮がしっかり育つまでには数週間〜数ヶ月かかります。
だから、最初はボロボロになって当たり前。

だけど、特に女性の場合はボロボロの指を見られるのは恥ずかしいですよね…
同僚が友人が綺麗にネイルをしてたなら、尚更です。

ということで、登った後はなるべく入念にケアをしましょう。
チョークや摩擦で乾燥した指は、ハンドクリーム保湿してあげるだけでも回復が早まります。
また、テーピングで指皮を保護してトライするのも有効。
第一関節より下の部分なら、よっぽどシビアな課題でなければテーピングをして登っても差し支えありません。

とくにガバ課題や飛びつき課題だと、体が振られた瞬間や落ちた瞬間に指皮がベロっと剥がれることがあるので、あらかじめ保護するのは超有効です。

悩み6:全然上達してる気がしない

クライミングを始めてしばらく経つと、こんな瞬間がやってきます。

・前回できなかった課題が、今回もできない
・同じグレードの課題でずっと停滞してる
・自分より後から始めた人に先を越されて焦る
・むしろ最初のほうが上手だった気さえする

こんなふうに、モヤモヤした気持ち、感じたことありませんか?

解決策:成長記録を「見える化」する

上達を実感しにくいなら、“見える化”するのがオススメ!

クライミングジムで、自分の登りを動画撮影してる人を見たことはありませんか?
あれを、ぜひやってみてください!

自分のトライ動画を見返すことで、

「足位置をもう少し伸ばせば、次に届きそう」
「重心をもっとホールド側に寄せたほうがいいのかも」

「腰が壁から離れてるから、もっと中に入れてみよう」
「腕が曲がってるから、もっと伸ばすことを意識してみよう

などなど、びっくりするくらい”気づき”や改善点が見えてきます。

改善点が見えれば、それを直せば上達するということ。
たとえば、「次のホールドに手が届かない」という悩みも、

「ホールドまで10cm近く距離がある」状態から
「ホールドまであと2cmくらいって距離まで近づけた」状態まで進むのを動画を通して目にすれば、ものすごく成長を感じられて、「あともう少し!」ってモチベーションにつながると思いますよ。

「SLAM DUNK」の桜木花道も、そうやって上達した!

「でも動画って上級者がSNS用に撮るものでしょ?
 初心者が撮るなんて、恥ずかしい…」

そう思うかもしれません。
でも、かの有名なバスケ漫画、『SLAM DUNK』にはこんなセリフがあります。

「下手くその 上級者への 道のりは 己が下手さを 知りて一歩目」

これは、「下手な人間は自分の下手さをきちんと知ることが始まり」ってこと。
主人公・桜木花道が、ゴール下シュートを習得するための個人合宿に入る前に、顧問の安西先生に言われた言葉です。

自分を「天才」だと思ってる桜木花道は、隠し撮りされていた自分のシュート姿が、想像よりもずっと不格好なことにショックを受けて目を背けようとします。
そこで安西先生が言った言葉がこれ。

最終的に花道は、ビデオ記録を見返すことで自ら改善点を発見できるまで成長します。
「自分の下手さに気づいたこと」によって成長を感じ取れるこのシーン……
地味だけど、SLAM DUNKの名シーンの一つです!!

初心者が動画を撮るのは、全然恥ずかしいことじゃありません。
動画撮影という“見える化”、ぜひ活用してみてください!

ちなみに私は活用し終えたトライ&エラー動画を編集してSNSにアップしてます。振り返ってみると、めちゃくちゃ面白いです(笑)

まとめ:悩みは全て、クライマーになった証!

クライミングに対する悩みが増えてきた。
それを解決する方法を見つけたい……

そうやって解決策を探し始めたのなら、あなたはもう立派なクライマーです!

どんな悩みも「一朝一夕で解決する」なんてことはありません。
だけど、向き合い続けていれば、いつか必ず越えられる日がやってきます。

悩みを抱えてう登れない期間が長ければ長いほど、登れたときの喜びは何倍にもなって返ってくる。

だからこそ、“自分のペース”で”焦らず楽しく”。
悩んでる時間さえも味わいながら、あなたらしいクライミングを続けてくださいね。