【2025年4月制度改正】上手に転職する方法|失業保険・再就職手当・おすすめの転職準備を解説

転職のすすめ
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2025年4月から、失業保険(正式名称:失業給付金)の制度が一部変更されます。
この変更で、少しだけ退職がしやすくなるので、とっても良い変更なんだけど……転職市場が激戦になる可能性が

この記事では

・制度改正で起こりうる転職市場の変化
・転職準備に役立つ具体的な方法
・早期再就職で受け取ることができる「再就職手当」の話
・ゆっくり転職したい人に向けた、おすすめの過ごし方

これらについて、体験談をまじえて、まとめてみました。

はじめに:失業保険制度、ここが変わる!

▶︎失業保険についての詳細はこちらの記事で。

制度改正により給付制限期間が短縮!

これまで、自分の意思で退職(自己都合退職)した場合、

・手続き後、2ヶ月間の「給付制限期間」がある
・この期間が明けて約1ヶ月後に、第一回目の振り込み

という流れで、失業保険が支給されるまでに約3ヶ月かかっていましたが、2025年4月からはこの給付制限が2ヶ月→1ヶ月に短縮

つまり、退職から失業給付金が支給されるまでの期間が約2ヶ月に短縮されました。

制度が変わることによって予想されることは?

お金が振り込まれるまでの期間が短縮されると、助かる人が圧倒的に多いと思います。
だけど、この変更により

1. 金銭的理由で退職を踏みとどまっていた人が退職に踏み切る
2. 一時的に転職希望者が増加し、転職市場に人があふれる
3. 求人数は急に増えないので、再就職が難しくなる

といった流れが起きるかも。

退職者の数だけ労働者が減り、採用窓口も増えるかもしれないけど、大半の退職者はよりよい環境を求めて辞めているので、退職された側の企業は募集をかけても条件や待遇でスルーされるんじゃないかなって思います。
実際私の元職場も在職者が減る一方で、中途採用募集をかけても全然入ってこない&入社してもすぐ辞められてばかりでした。私の抜けた後もいまだに埋まってないです。

昔と比べて転職者は増えている

昔は一度就職してしまえば年齢とともに昇給&出世し、定年まで勤め上げるのが一般的でした。
でも、定年年齢が引き上げられて会社に上の層が残ることで、出世も昇給もしにくい。リストラになる可能性もある。さまざまなハラスメントに溢れてて会社に行くのが嫌になったりもする。
それならばと、よりよい給与や待遇、長く働ける環境を求めて転職を選ぶ人が年々増えています。

また、昇給による収入増加ではなく、副業で収入アップを図る人も増加中。
そういった人たちは副業スキルを磨いてそっちの世界に転職したり独立したり、あるいは副業がしやすい会社への転職を選ぶことも。

今回の法改正は、そういった人たちが増えたことによる「転職後押し改正」といってもいいかもしれません。

上手に転職するために、計画性がカギとなる!

時代の流れ的にも法的にも転職しやすくなると、もはや転職はキャリアアップの手段として当たり前になり、転職者は今後もどんどん増加するかも。
「激戦化するかもしれない転職市場」で内定を勝ち残るには、計画性が重要です!

スムーズに転職できるよう、退職前から準備を進めておきましょう。
以下は誰でもできる、オススメの転職準備。

1. 転職サイトで求人情報をチェックする

退職前から転職サイトで求人情報をチェックして、以下の要項を把握しておきましょう。

・自分の転職したい業界の求人率はどれくらいなのか
・どんな人材が求められているのか
・必須のスキルはあるのか

自分に足りないものがあると感じたらすぐに身につける準備を!

2. 転職エージェントに登録する

就職エージェントとは、就職希望者と企業のマッチングをしてくれるサービスです。

数多く掲載された求人情報から希望条件に合った会社を自分で見つけて応募する「転職サイト」と違って、登録すると担当者が付き、ヒアリングを元に希望する求人情報を紹介してくれ、転職活動のサポートをしてくれるのが「転職エージェント」。

自分がどんな仕事に就きたいのか、どういった働き方がしたいのかが不明瞭ならば、自己分析を手伝って、どういう企業に応募すればいいのかのアドバイスももらえるので、「一人で転職活動するのは不安だ」という人にピッタリのサービスです。

転職エージェントは転職に有利な情報を持っている!

私は職業訓練校に通っていたのですが、講師の先生が「求人情報を一番多く握っているのは転職エージェントだ」とおっしゃっていました。
なぜなら、転職エージェントは就職希望職者と企業のマッチングをサポートするサービス…
つまり、企業側から直接「こういう社員が欲しい」と依頼されているから

転職エージェントは求人情報だけでは知り得ない

・どんな人物を欲しているのか
・採用基準はどこなのか
・どこまでなら条件を譲ってもいいか
・どんな人間は即お断りするのか

そういった超重要な情報を把握しているそうです。

▶︎転職エージェントについてはこちらの記事で詳しくまとめています

計画的な転職で「再就職手当」が受け取れるかも?

それともうひとつ。
退職後、早めに再就職が決まると、再就職手当が受け取れるかもしれません。

再就職手当とは?

再就職手当とは、失業給付金を満期までもらわず、早期に再就職した場合に支給される手当金です。
失業保険を最大期限までもらうよりも、早期に転職を成功させ再就職を決め、再就職手当をもらう方がトータルでは手にする金額が大きくなります。

どれくらい差が出るかザックリと計算

通常、失業給付金を受け取れる日数は最大120日。
仮に月20万円支給されるとして、20万円×4ヶ月で合計の受給金額は80万円です。

内容金額
失業給付金20万円×4ヶ月=80万円
4ヶ月間の合計収入80万円

再就職手当の計算は基本手当日額×支給日数×支給率とややこしいのですが、30歳未満だと最大で約50万円ほど支給されます。

失業給付金の満額が80万円だとすると、30万円も少なく損をしているように思えますが…

内容金額
失業給付金20万円
再就職手当50万円
転職先の給与20万円×3ヶ月=60万円
4ヶ月間の合計収入130万円

転職先の給与(失業給付金と同じく仮に20万円×4ヶ月分)を足すと、4ヶ月で手に入れた金額は80万円+50万円で130万円。

再就職手当の50万円(非課税)がまるっと差額になります!

総合的に見て早期就職の方が得!

「就職先の給与を計算に含めるのはずるくないか?」という意見もありそうですが、早々に安定して給与が入る生活を取り戻すのと、就職が決まらず無収入の期間が始まるのでは、どう考えても労働収入の差は広がるばかり。
そして昇給までの期間も転職にかかった時間分だけ差が開いていきます。

なので、やはり転職は計画的な早期決戦がお得で賢いと言えます。

失業給付金の手続き後、7日間は待機期間という「お仕事をしてはいけない」期間が設けられています。この間に就職を決めると失業給付金はもちろん再就職手当ももらえないので注意してください。

計画的な転職は実際に可能なのか?

結論から言えば可能です。

私は前職の会社に転職する際、前々職の会社で働きつつ転職活動して内定をもらい、前々職の退職日の翌日付けで入社することに成功しました。

退職日も入社日もその気になれば調整できるので、計画的に転職活動を進めれば再就職手当の満額受給は十分に可能です。

先に述べたように退職後…というか、失業手続きをした後7日間はお仕事をしてはいけません。なので、このケースでは再就職手当はもらえないし、そもそも失業手続きをする必要もありませんし、実際してません。
当時は転職ギリギリと言われる年齢でとにかく早く転職したかったので、自ら余暇期間&準備期間0の転職を実行しましたが、体力的にキツかったので、あまりお勧めできません。笑。

失業期間を使ってリフレッシュするのもアリです!

ここまで早期の再就職に向けた話をしてきましたが、退職後はしばらく休養を取りたい人もいると思います。
そういう場合は、無理せず失業期間を使って人生のリフレッシュタイムを満喫しましょう!

好きな時間に起きて、好きな時間に寝る

ほとんどの社会人は「起きる→仕事に行く」がワンセット。会社に行くのはもちろん、リモートでも出社時刻が決まっていて、決まった時間に起きる必要がある生活をしていると思います。

失業中は、当然ながら定刻に起きる必要はありません。
再就職後の生活リズムを考えたら、あまりダラダラした毎日を送るわけにも行きませんが、退職直後の数日間くらいはこれまで頑張ってきた自分へのご褒美として、時間を気にせず好きな時間に起きて好きな時間に寝る生活をしてもいい!

今まで我慢していたことをしまくる

激務に追われている人にありがちなのが「休みは体力回復のため寝てばかり」「休みの日くらい家でダラダラしたい」というもの。

自分の好きなことに時間を使うエネルギーがなく、いつの間にか推し活や趣味が疎かになり好きなものがわからなくなってしまった…
そんな人も多いのではないでしょうか?

失業中は時間もエネルギーもたっぷりあるので、過去に好きだったもの、楽しそうなこと、面白そうなことに貪欲に手を伸ばしてみましょう。意外とここでの経験が次の仕事に繋がったりもします。

長旅に出てみる

先の項目と少し重なりますが、ほとんどの社会人は長期休暇といえば年末年始、GW、お盆休み、それぞれ1週間前後。

この期間に旅に出ると観光地は激混みしてるし、かといってこれ以外の時期はまとまった休みが取りにくく旅行に行きにくいのが大半です。

失業中は人の少ない(そして宿泊料金が安い)平日に旅行し放題!連泊もし放題!
失業期間を最大限に活用できる楽しみ方といっても過言ではないかもしれません。

私の父親は私が小学生の時に転職しています。
失業期間がどのくらいあったのか覚えてませんが、たしか夏休み期間と重なっていたので、ほぼ毎日のように遊んでもらい、家族旅行にもたくさん連れて行ってもらいました。
当時の母親の心境を思うとなんとも言えませんが、子供の私にとってはものすごく楽しい日々だったし、一生忘れることのない家族の時間を作ってくれたことに感謝しています。

職業訓練校に通ってみる

自由な生活も、これまで我慢していたことも、日程を気にせずに済む旅行も、やり尽くしてもう十分満足した。そろそろ就活しないとだけど、まだイマイチやる気にならないし、自分が何をしたいかもよくわからない…

そんな方には職業訓練校に通うことをオススメします。

職業訓練校はテキスト代のみで就職に必要なスキルを身につけることができる学校。平日朝から夕方まで、ほぼ毎日授業があります。
学校に通うことでここまでのリフレッシュ期間で崩れてしまったかもしれない生活リズムを元に戻すことができるし、就職に役立つスキルを学びながら就職活動もできる。

そしてなにより、職業訓練校に通ってる間は失業給付金の支給期間が延長されます。

「来月で給付が打ち切られるけど仕事がまだ決まらない…」というタイミングで職業訓練校に通い出すと、再び支給が始まると言うこと。激アツ案件です。

職業訓練校で何が学べる?

訓練校で学べる内容は医療系やIT関連、事務職、技術職、など様々。
気になる学科の学校がタイミングよく開講されてるかは運次第なところもありますが、その辺はハローワークのサイトでカリキュラムも含めて事前に確認できます。

職業訓練校に入学するためには筆記試験や面接があります。そして、定員人数も決まっているので必ずしも希望者が全員通えるとは限りません。
そして、職業訓練校に通っている間の給付金額は出席率によって変わってきます。出席判定は厳しく、あまりにも欠席が続いたり、授業を受ける気がないとみなされた場合は退校処分もありえます。その点はご注意ください。

▶︎職業訓練校の詳しい話はこちらから

まとめ:計画的に準備を進めて、スムーズな転職を!

2025年の制度改正によって、転職へのハードルは下がったように見えます。
でも、裏を返せば「誰でも動きやすくなった=競争も激しくなる」ということ。
退職を考えているなら、事前の準備・情報収集・自己分析がカギです!

・転職する場合は退職前から情報を集めて準備を始める
・早期の転職は再就職手当にもつながる

・休養する場合も、「次」に向けた動きを忘れない

私もそうだけど、転職する人は、「今より良い生活」を求めていると思います。
「今より良い生活」が実現できるよう、計画的に転職を成功させてくださいね。