2018年の紅白歌合戦で米津玄師さんが「Lemon」を歌ったことで、一躍有名となった場所。
それが、大塚国際美術館です。
当時その中継を見て、
「日本にこんなすごい場所があるの?!」
と驚き、興味津々。
以来ずっと、行きたい場所のトップに君臨していた大塚国際美術館。
7年の年を経て、この夏ようやく訪問する事ができました!!
ということで、見どころや私が思うオススメの周り方をご紹介したいと思います。
これから行かれる方の参考になれば幸いです。
はじめに:大塚国際美術館とは?
大塚国際美術館は、大塚製薬などを有する大塚グループが、創立75周年記念事業として事業発祥の地である徳島県鳴門市に設立した日本最大級の常設展示スペースを有する「陶板名画美術館」です。
| 大塚国際美術館 公式サイト | |
| 住所 | 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1 |
| 入館料 | 一般 3,300円 大学生 2,200円 小中学生 550円 ※団体・障がい者割引あり |
| 営業時間 | 9時半〜17時 ※チケット販売は16時まで |
| 休館日 | 月曜他、開館カレンダーに準ずる |
| 駐車場 | 450台 駐車場より無料バス運行 |
| その他 | ミュージアムショップ、館内レストラン・喫茶あり。 休憩用ソファ、トイレ多数あり。 ベビーカー、車椅子貸し出しあり。 特定作品の定時ガイドあり。 |
日本一入館料の高い美術館としても有名ですが、展示されている作品は全て複製品。本物は一つもありません。
それなのになぜ、入場料が高いのか?
その理由は、展示品の全てがキャンバスではなく陶板タイルに印刷し、原寸大で再現されているから。
広い館内には、名画だけでなく世界遺産となっている建造物までもが複製展示されているのです。
しかも、写真OK。
他の美術館に比べると、おしゃべり禁止な雰囲気も少なめ(圧倒される展示品を前に、大人しくする鑑賞する方が難しい!)。
元来の美術館よりもテーマパーク性も高く、そう思えば納得の入館料なのかもしれません。
とはいえ、やはり単体で払うには高く感じたので、私は一泊二日だったこともあり宿泊プランに大塚国際美術館入場券が付いてくる宿を利用しました。
私の滞在時間と順路
当日は開館の9時半から15時前まで滞在。
9時半 :入館
9時40分 :システィーナホールにて、定時ガイドに参加
10時過ぎ :館内閲覧開始
11時 :館内カフェで軽食
11時40分 :館内閲覧再開
12時半 :閲覧終了。ミュージアムでお買い物。
13時 :2巡目閲覧開始。
14時50分 :退館
約5時間半で館内を2巡し、お昼ご飯も食べ、おみやげも購入しました。
1巡目:順路無視で、見たいものを見る!
見落としのないよう順路通りに回りたかったのですが、
「疲れるのが目に見えてるから、意識がハッキリしてるうちに知ってる作品を見たい」
というパートナーの意見に「一理あるな」と賛同。
まずは、館内パンフレットに記載されたモデルコースを参考に、B3の環境展示を無視してB2の有名絵画から順に見て回ることにしました。
広い館内なので時々迷ったり、目的作品に向かう途中で気になる作品を見つけて足を止めたり、モネの大水蓮前を通ったタイミングで食事したりしつつ、12時半ごろに1巡目が終了。
一旦スタート地点に戻り、このタイミングでお土産を購入。
2巡目:順路通りに、見たいものを見る!
2巡目は、見逃しなくするために順路通りに閲覧。
とはいえ現代アートにはあまり興味がなかったので、見るのはB3〜B1エリアだけに留めました。
パートナーは2週目早々に、自身が心配した通り「疲れた」と音をあげたため別行動。
私が閲覧している間、館内の至る所にある休憩用ソファーで一休みしていました。
そして、同じような理由で休んでいるのであろう男性を館内各所で見かけました(笑)。
退館直前で見落としが発覚
当初の予定では17時の閉館まで滞在するつもりでしたが、
「帰る前に淡路島バーガーを食べておきたい」
という残念な欲が湧き上がり、2巡目が終了した時点で退館することに。
退館直前にキッズ用パンフレットが目に入り、「こんなのもあるんだな」と手に取ってみたところ…
記憶にない展示が大きく載っていたので「これ見てない!!」と慌ててその場所へ戻り、無事この目に焼き付ける事ができました。
見落としていた展示はシスティーナ礼拝堂に次ぐぐらい有名なスクロヴェーニ礼拝堂だったので、見落としたまま帰っていたら心底心残りになっていたと断言できます。
危なかった。
大塚国際美術館のここが良い!
大塚国際美術館の展示品の良いところは、なんと言っても原寸複製展示であること!!
教科書や雑誌で見た名画の本当の大きさを知り、その大きさに空いた口が塞がらなくなる事間違いなし!!
逆に、「思ったより小さい」と、食い入るように見つめてしまうパターンもあります。
それに、システィーナ礼拝堂のように、「壁画の描かれた空間丸ごと」複製展示しているのもすごい。
1日で世界の名画を数多く鑑賞できるだけでなく、世界遺産に訪れたような感覚も味わえます。
「レプリカで、それも版画じゃないか」
なんて小バカにして、訪問しないのは勿体ないです!
例えば、システィーナ礼拝堂は縦40m超。
教科書じゃ絶対に伝わらないスケール感が味わえます。
個人的見所ベスト5
大塚国際美術館には見どころがいっぱいです。
その中から、個人的に感銘を受けた展示を5つピックアップしてみました。
芸術作品に対する感想は人の数だけ違うので、万人に同じ評価を受けることは不可能に近いです。
それと同じく、美術館の見どころも人の数だけあるので、一個人の感想として捉えてもらえればと思います。
1:システィーナ礼拝堂
言わずと知れた巨匠、ミケ・ランジェロの作品。
縦40m×横13mの礼拝堂天井には旧約聖書の天地創造の9つの場面が。
天井を支えるペンデンティヴ部分には、キリスト降誕を予言したとされる7人の預言者と5人の巫女が。
そして正面には、最後の審判の様子が壮大に描かれています。
レプリカでも鳥肌が立つ圧巻のスケール。
2階からも眺める事ができて、そこから見る風景もまた言葉にできないものがある。
大塚国際美術館の代名詞とも言える場所で、館内入ってすぐの場所で、礼拝堂らしく長ベンチも置いてあり、休憩や待ち合わせにもピッタリの場所です。
2:スクロヴェーニ礼拝堂
イタリアの画家・建築家、ジョット・ディ・ボンドーネの代表作。
シンプルなロマネスク・ゴシック様式の礼拝堂内部壁画に、聖母マリアとキリストの生涯を、代表的なエピソードを39場面に凝縮して描いています。
ミケランジェロの描いた力強い壁画&圧倒される空間とは対照的に、どこか柔らかい雰囲気のある壁画と静寂に包まれるような厳かな空間。
壁画もさることながら、天井の青が美しく印象的な礼拝堂です。
3:最後の晩餐
こちらも言わずと知れた巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチの超有名作。
誰もが、どこかで一度は見たり聞いたりするであろう作品ですが、実寸大で見ると
「こんなに大きかったの?!」
と驚くこと間違いなし。
冗談抜きで想像以上の大きさです。
最後の晩餐は長きにわたり修復作業が繰り返されてきた作品でもありますが、その「修復前」「修復後」の見比べができるのは大塚国際美術館だけです。
4:皇帝ナポレオン一世と皇妃ジョセフィーヌの戴冠
フランスの画家、ジャック=ルイ・ダヴィッドの作品。
縦約6.2m×横約9.79mという、超巨大サイズのキャンバス油彩画。
この作品も、とにかく大きい。
こんな大きなキャンバスを19世紀初頭にどうやって用意したのか気になって仕方ない。
あまりの大きさに、一目見たナポレオンが「絵の中に歩いて入れるようだ」と言ったという逸話があるほどです。
しかしながら、そう言ってしまうのもわかる迫力と空気感のある絵画です。
5:ゴヤの家
フランシスコ・デ・ゴヤが、晩年自宅の壁に描いたとされる「黒い絵」シリーズを、その自宅と共に再現した展示スペース。
ハッキリ言って私好みではないんですけど、異質な感じがなんとも印象に残ります。
この空間で見る『我が子を食らうサトゥルヌス』は、トラウマレベル。
小さい子供が泣き出したとしても無理はない…
おまけ:北欧の夏の夜
スウェーデンの画家リッカルド・ベリによる油彩。
まったく知らない作家&作品でしたが、一番心に残った作品です。
この絵の雰囲気と、描かれた二人の空気感が好きすぎる。
こうやって、感性に触れる作品と出会えるのが美術館のいいところだなと思います。
おすすめの順路と滞在時間の目安
世界の絵画にどれだけ興味があるかで滞在時間は変わってきますが
・芸術&美術に関心がある→開館から閉館まで
・隅々までじっくり観覧したい→6時間前後
・とりあえず行って、サラッと見たい→3時間前後
こんな感じかなと思います。
超名作だけを押さえたモデルコースの所要時間は80分ほどですが、よっぽど芸術に関心がない人以外は超名作以外でも足を止めて時間を取られます。
私のパートナーも「名作だけ」って言いながら、ちゃっかりアレコレ目を奪われていました。
モデルコースは館内のフロアマップに記載されています!
おすすめ順路1:順路に沿って
オススメの周り方はやはり、順路に沿って回ること。
とにかく広い施設なので、行ったり来たり移動するのは非効率的。
見落としがないよう順路に沿って回るのが一番いいと思います。
おすすめの順路2:モデルコースに沿って
順路に沿いつつ、有名どころを押さえつつ、時短で周りたい人にオススメなのが、館内パンフレットに記載されたモデルコースを参考にする方法。
前後に予定を入れてある場合は、この方法が良いんじゃないかなと思います。
おすすめの順路3:好きなジャンルから見て回る
「絵画に興味がある」といっても、抽象画が好きな方もいれば、写実派が好きな方もいる。
ルネサンス時代の絵画が好きな方がいれば、近代アートが好きな方もいる。
ということで、好きなジャンルから見て回るのもオススメ。
大塚国際美術館の館内は「環境展示(世界遺産)」「古代絵画」「中世絵画」「ルネサンス絵画」「バロック絵画」「近代絵画」「現代絵画」「テーマ展示」という8ジャンルに分けられているので、好きなジャンルから見ていくのも一つの方法かと思います。
まとめ:唯一無二の美術館に行ってみよう!
原寸大で再現された名画の数々。
空間そのものを再現した礼拝堂や洞窟。
世界遺産を疑似体験できるスケールの大きさ。
大塚国際美術館は、「本物が置いてないから」という理由で軽視するのはもったいない、素晴らしい美術館です。
たしかに、本物には劣るものがあるでしょう。
でも、複製ならではの、本物に勝る部分もある。
モナリザや青い真珠の首飾りの少女とツーショット写真が撮れるのも、モネの水蓮を太陽の下で見れるのも、ゴッホのひまわり7点を一度に見れるのも、大塚国際美術館だけです!
7年越しの念願を叶えて訪れてひとまず満足しましたが、いつかまた行ってみたい!
徳島に行く事があれば、ぜひ立ち寄って欲しい。
むしろ、このために徳島に行って欲しいと思う場所です。
