パートやアルバイトでも失業保険を受け取れる?社会保険と雇用保険の違いもわかりやすく解説!

転職のすすめ
この記事は約6分で読めます。

「退職したら失業保険(=失業給付金)がもらえる」というのをなんとなく知ってるという方は多いのではないでしょうか?

失業保険の概要と、受け取り方についてまとめた記事がこちら。

今回はこの記事の補足説明として、パート・アルバイトが失業保険を受け取るための条件である「雇用保険」について、よく聞く「社会保険」との違いも交えながら、わかりやすく解説します!

はじめに:パートやバイトでも失業保険は受け取れるの?

結論から言うと、パートやバイトでも失業保険を受け取れます。
ただし、失業保険を受け取るためには「雇用保険に加入していること」が条件。

もしあなたが今、パートやバイトで働いているなら…その働き方、“受け取れる側”かも!

ちょっと難しい話かもしれませんが、なるべく簡潔に説明するので頑張って読んでみてくださいね。

【失業保険をもらうために必要な知識】社会保険と雇用保険の違い

「社会保険には入ってるから、雇用保険にも入ってるでしょ?」

そう思っている人、けっこう多いです。
実際、私もその1人でした。

でも、この2つは名前が似ているだけで、全く別の制度
ここを理解しておかないと、「失業保険もらえると思ってたのに、もらえないじゃん…」なんてことになりかねません。

社会保険とは?

社会保険は「病気や老後に備えるため」の保険で、主に以下の3つが含まれます。

・健康保険(病院にかかったときの保険)
・厚生年金(将来の年金)
・介護保険(40歳以上が対象)

基本的には、一定の労働条件を満たした人が加入対象で、加入者と雇用する会社の両方が保険料を負担します。

雇用保険とは?

一方の雇用保険は、「仕事を失ったとき」に備える保険です。
会社を退職したあと、一定の条件を満たしていれば、失業保険(=失業給付金)が支給されます。

こちらも会社と労働者が保険料を負担していますが、社会保険と違って「勤務時間」や「日数」が加入条件に関係してきます。

ここが重要なポイントです!!

【結論】社会保険と雇用保険は全くの別物!

つまり、「社会保険に入ってるから、雇用保険も入ってる」とは限りません!
社会保険には加入していたのに雇用保険は未加入だったというケースは十分ありえます。

とくにパート・アルバイトの方にとっては、この違いがかなり重要な分かれ道になります。

「パート・アルバイトは対象外?」そんなことない!加入条件をチェック!

「パートだし、雇用保険なんて関係ないよね」

そう思っている方、損しているかもしれません。
実は、雇用保険は条件を満たせば、パートやアルバイトでも加入が義務なんです。

「え、私も対象だったの…?」と、気づくきっかけになることを願って、条件を簡単にまとめました。

この場合、加入は義務!

・週20時間以上の勤務がある
・31日以上の雇用見込みがある
・学生でない(ただし、夜間・定時制・通信制は対象)

この条件を満たしていれば、パートやアルバイトであっても雇用保険への加入は義務です。

でも…加入してないケース、あります!

条件を満たしているのに、実際には雇用保険に入っていないケースもあります。
理由はただ一つ、雇用側が手続きをしていないから。

単純に「パート・アルバイトは入らなくていい」と思われていたケースもありますが、なかには保険料の負担を避けたくて、意図的に手続きをしない雇用主も…。
どちらにしても、まずは以下の2点を確認してみてください。

・自分が雇用保険の対象であるか
・対象であるなら、加入しているかかどうか

雇用保険に加入してるか確認する方法

一番確実で簡単な確認方法は給料明細を見ること。
明細に「雇用保険」の項目があり、金額が記載されていれば間違いなく加入しています。
もし見当たらない場合や不安なときは、会社やハローワークに確認するのもアリです◎

雇用保険未加入のデメリット

雇用保険に入っていなかった場合、当然ですが失業保険を受け取ることができません。
もし加入条件を満たして働いていたのに、雇用保険に入れてもらえていなかったとしたら、それは大きな損失です。

未加入だった場合の対処法

まずは勤務先に確認してみましょう。
少し勇気がいるかもしれませんが、こんなふうに切り出すのがオススメです。

「私は雇用保険の加入条件を満たしていると思うのですが、明細に記載がないので、どうなっているか確認させてもらえますか?」

もしこの段階でまともに取り合ってもらえない場合は、ハローワークや労働基準監督署に相談することも視野に入れてOKです。

とはいえ、「できれば職場とトラブルにはしたくない…」という気持ちもよくわかります。
そんな場合は、加入義務があったという証拠を集めて、退職後に取れる選択肢があります。

未加入のまま退職してしまった場合の救済処置

実は、雇用保険に加入できるはずだったのに、未加入のまま退職してしまった場合でも、
「遡及加入(さかのぼり加入)」という制度を利用して救済を受けられる可能性があります。

これはハローワークに相談&申請を行い、過去の勤務期間が本来は雇用保険加入対象だったと認められれば、失業給付金の受給につながる制度です。

【手続きの流れ】
1.最寄のハローワークで 「雇用保険未加入だった件について相談したい」と伝える
2.過去の給与明細やシフト表など、勤務実績を示せるものを持参する
3.事業主に対して是正指導が入る場合がある

これらの手続きを通して、雇用保険の加入義務があったことが認められれば、失業給付金を受け取れる可能性があります。

【是正指導(ぜせいしどう)とは】
是正指導とは、ハローワークなどの行政機関が、法律に違反している可能性のある事業所に対して、制度の内容を説明し、必要な手続きを取るよう促すことです。罰則ではなく、あくまで“改善のお願い”が目的です。

【注意:最善の方法は“在職中”の加入です
さかのぼり加入という救済措置はあるものの、必ず認められるとは限らず、手続きにも時間がかかります。あくまでも最善の方法は、働いているうちに「自分は加入条件を満たしているか」を確認し、必要であれば雇用保険に加入してもらうことです。

【さかのぼり加入での「保険料の支払い」について】
ちなみに、さかのぼり加入が認められた場合は、加入期間に応じて自分が負担するはずだった雇用保険料を、あとから支払う必要があります。月に数百円程度の負担なので、大きな負担にはなりませんが、事前に知っておくと安心できます。

まとめ:知らないと損!でも、知っていれば安心!

・パート・アルバイトでも、雇用保険の条件を満たせば加入は義務
・雇用保険に入っていれば、失業保険を受け取る権利がある
・社会保険と雇用保険は別物だから、加入しているかは給与明細で要チェック!

「もらえるはずだったのに、実はもらえなかった…」

そんな悲しいことにならないように、この記事があなたの働き方を見直すきっかけになったらうれしいです。

まずは、手元の給与明細をそっと開いてみるところから、始めてみてくださいね!