「仕事を辞めたい」
そう思っても、すぐ退職に踏み切れる人は少ないと思います。
私自身、「辞めたいのに辞められない」状態で長く足踏みしていた一人です。
・収入がなくなることへの不安
・次の働き方が見つかるかという不安
退職を考える大半の人が、これが理由で踏み出せないのではないでしょうか?
私もこうした不安を抱えていましたが、自分なりに対策をすることで、退職することができました。
この記事ではその対策を「お金」と「知識」に分けてまとめています。
将来への不安から退職に踏み切れない方の後押しになればと思います。

なお、辞められないと思う理由が不安でなく恐怖の場合は、対策をとっている場合ではありません。急を要する状態です。まずは信頼できる人、もしくは専門家に自分の気持ちを話すことをオススメします。
はじめに:退職の不安は、無理に消さず「軽くする」
まず、9割以上の人はどんなに準備しても退職への不安は残ると思っています。
私自身も、退職のための準備をしていたにも関わらず、不安な気持ちを完全に無くすことはできませんでした。
そんな経験から、
「不安をなくすのではなく、不安を軽くしながら退職準備を進める」
これが退職の不安に対する最善策だと考えています。

準備を進めておけば、いい意味で勢いに任せて行動に移せる…というか、完全に勢い任せで退職した例が私です。
不安を軽くするための具体的な方法
具体的にやることは、
・お金の不安は、数字で把握する
・将来の不安は、知識で見通す
漠然とした不安を、一度言葉や文章で「見える化」して、対処方法を考える。
そうすると、退職は一気に現実味を帯びてきます。
【お金編①】退職後に必要なお金を知る
収入がなくなることに不安を感じる。
それはなぜか?
シンプルに、生活に必要なお金が足りなくなるからです。
では、実際退職後に必要なお金とはなんなのか?
退職後、必要になるお金は「生活費」と「税金の支払い」です。
退職後、税金は自己負担になる
生活費が想像しやすい反面、具体的に想像しにくいのが税金。
税金は基本的に毎月給料から天引きされているので、支払っている感覚が鈍くなりがちです。
そのため、請求通知を見て「こんなに支払うものなの?」と、その金額に驚く人も多いと思います。
自分が退職後、どれくらいの期間、税金を自己負担するのか。
同時に生活費はどれくらい必要になるなのか。
その金額を知ることで、心構えができる。
そして、事前に準備することができれば、「一定期間生活は成り立つ」と最低限の安心を得ることもできます。
国民保険と国民年金の支払い
退職後、自分で支払う必要がある税金は
・国民保険
・国民年金
・住民税
この3つです。
会社員は原則、健康保険と厚生年金に加入しています。
そしてその支払いは会社が半分負担してくれています。
ところが退職すると、「健康保険→国民保険」「厚生年金→国民年金」に切り替わり、支払いは全額自己負担になります。
正直働いてない状態で全額支払うのは負担が大きすぎるので、減額もしくは免除制度を利用するのがベスト。
また、国民保険に切替えず「健康保険の任意継続」を選ぶ方が負担が軽くなることもあります。
どちらを選ぶ方がいいのかは人によって違う上、任意継続は退職前に会社にお願いする必要があるので、事前に役所に聞きに行くなどして確認しておくのがいいと思います。
私は国民保険は負担が大きいと感じ減額申請し、国民年金は支払える金額だったのでそのまま納付しています。
住民税の支払い
住民税はもともと全額自己負担なので、支払う金額自体は変わりません。
そしてこちらも減額できる制度があります。
また、最終給与から一括天引きで支払うことも可能です。
一括天引きにすると、当然ながら最終給与が大幅に減ることになりますが、月々支払う必要はなくなるので、精神的負担が軽い方を選ぶのがいいと思います。
【お金編②】退職後に受け取れるお金を知る
以下の制度を利用すれば、退職後一時的に収入を得ることができます。
・失業給付金
・退職金
どちらも受け取るには一定の条件を満たしている必要があり、その額も「助かる」けれど「満足できる」額ではありません。
なので、これらは当てにしすぎず、あくまでも「自分で用意した準備金の補填」と考えましょう。

失業給付金と退職金については、それぞれ別記事で解説しています。
【お金編③】①②を踏まえて、必要な額を用意する
退職後に必要なお金。
そして退職後に受け取れるお金。
両方を把握したら、あとは自分で「これだけあれば大丈夫かな?」と思う額を用意するだけです。
普段から生活防衛資金を意識しておく
生活防衛費という言葉を聞いたことはありますか?
生活防衛費とは、失業や病気など予期せぬ事態に備えて、あらかじめ確保しておく生活費のことです。
一般的には、毎月の生活費の3~6ヶ月分を目安に貯めておくことが推奨されていて、これがあれば退職を考えた時も、お金を準備する期間を短縮することができます。
生活防衛資金は退職に限らず、怪我や病気、家庭の事情で急にお金が必要になったときにも役立ちます。
今、生活に困っていなければ必要性を感じないかもしれない。
でも、用意しておけば、きっといつか役に立つ日が来る。
だから、少しずつ積み重ねて用意しておくことをお勧めします。

私にもコツコツ積み重ねていた生活防衛費が年収と同じくらいあったので、わかりやすく「1年間は無職でも大丈夫だな」と思うことができました。
それでも、実際に退職してガンガン減る残高を見ると気が気じゃなかったです…
【知識編①】知識をつけて「最悪の思い込み」を崩す
退職後、「新たな仕事を見つけて今と同レベルの生活ができるのか?」という将来への不安は、知識を増やすことで軽くすることができます。
私が「今の生活ができなくなったら」と不安を感じていたとき、パートナーがFIREの説明をしてくれました。
FIREというのは投資収益で生活費を賄い、定年前に早期リタイアするライフスタイルです。
結論から言って、私にFIREは不可能。
だけど、貯金と投資の収益があれば、週に数回のアルバイトで数年は今の生活を続けられると知りました。
「今と同じだけ稼げなくても、月数万円のアルバイトで生活が維持できるんだ」と、気持ちがラクになったのを覚えています。
「老後のために」と、なんとなく投資をしていたけれど、その額や収益について考えたことがなかったので、自分の投資スタイルや資産を見直すきっかけにもなりました。
退職後に使える制度について調べる
FIREは私にとって現実的な手段ではありませんでした。
だけど、お金編で触れた失業保険や退職金、減税制度、それに職業訓練校といった退職にまつわる制度を調べることで、「退職後の道筋」を考えることができました。
退職後、自分はどんな制度を利用し、どれくらい生活できるのか。
なるべく先まで見通しを立てるようにすると、少しずつ「不安だけど、なんとかなりそう」という気持ちが湧いてきました。
「たとえ退職が失敗だったとしても、一番恐れている『無一文で破滅』という結末に直結するわけじゃない。そこまでには猶予があり、しかもその猶予期間は思っているより長い。そうなると、破滅する方が難しいのでは?」
そう考えることも増えてきて、退職の壁がグッと低く感じられるようになりました。
【知識編②】知識があると、退職までの道筋を選べる
知識をつけると、「辞めるか・辞めないか」という二択から抜け出せます。
退職までの道筋に、いくつかの選択肢が生まれるからです。
・在職中に転職活動を進め、目処が立ってから退職する
・退職後、職業訓練校や学び直しの制度を使ってから転職する
・副業や小さな挑戦を始め、「これならいけそう」と感じてから退職する
どれを選んでもいいし、途中で方針を変えてもいい。
選択肢が増えるほど、「これだけ道筋があるんだから、きっとなんとかなる」という気持ちも湧いてきますよ。
私は「SNS運用で独立したい」と考えていましたが、何から始めればいいかよくわかりませんでした。
そこで、いきなり独立するのではなく、「関連するスキルを学びながら次の道を探す」という中間ルートを選び、退職後に職業訓練校でWebサイト制作を学ぶことにしました。
まとめ:不安を抱えながらでも、退職準備を進めてみよう
退職に対する不安を完全に消すことは難しいです。
だけど、不安を抱えながら退職準備を進めることは難しくありません。
準備を進めていけば、「なんとかなるかも」という気持ちも出てきます。
今すぐの退職は難しくても、来るべき日に備えて、準備する。
まずは
・今の生活費がいくらか
・辞めたあとに何にお金がかかるか
・使えそうな制度が何か
この3つを書き出すところからで十分です。
退職のタイミングは、「準備が進んだ結果」として、きっと訪れます。



