・職業訓練校って、本当に無料で通えるの?
通いたい気持ちはあるけど、「実際いくらかかるのか」が気になる人は多いと思います。
私自身、退職後にWebサイト制作系の訓練校に4ヶ月通いましたが、結果的にかかった費用は実質ほぼ0円でした!
この記事では、実際にかかった費用の内訳と、給付金や支給されるお金の仕組み、注意点を、リアルな体験を交えて紹介します。
職業訓練校の受講料は無料!かかる費用は?
職業訓練校は、専門学校や民間スクールとは違い、授業料が無料です。
これは、職業訓練制度の最大の魅力といっても過言ではありません。
「お金がないけどスキルを身につけたい」という人にとって、活用しない手はない場所です。
ただし、完全にお金がかからないわけではなく、自己負担となる費用もいくつかあります。
私の通ったWebサイト制作の訓練校では、以下の2点が自己負担でした。
自己負担となった2つの費用
テキスト代
どこの訓練校でも、授業に使うテキスト代は自己負担です。
講座によってテキストの冊数が違い、費用も異なります。
テキスト料は事前にハローワークでもらえる資料などで知ることができます。
私のクラスはテキストが7冊あり、約20,000円しました。
初日に学校で現金を渡し、テキストを受け取る形式でした。
テキストは市販されている冊子だったので、卒業後メルカリで売って費用を回収しました。
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保険料
職業訓練生は訓練中のケガや事故、備品破損に備えた保険に加入します。
受講内容や受講期間によって金額に違いがあり、私の場合は約4,000円でした。
初日のオリエンテーションで納付書を渡され、「なるべく早めに振り込んで」と説明されました。
通学にかかるお金は支給される!
職業訓練校では、通学にかかるお金の一部または全額をサポートしてもらえる制度があります。
交通費は基本的に全額支給(上限あり)
通学距離が一定以上ある場合、公共交通機関の定期代をベースに交通費が支給されます。
支給条件や上限は地域や学校によって多少異なりますが、県をまたいがない限り、実費相当額が支給されると考えて大丈夫です。
注意点は下記の3つ。
【1:支給額は、指定された経路の最安値になる】
申請時に通学経路を自己申告しますが、実際に支給されるのはハローワークが指定する最安経路の定期代です。
たとえば「所要時間は短いけど高いルート」より、「所要時間はかかるけど安いルート」が優先されるケースもあります
【2:支給は後日になるので最初は自腹になる】
支給は通学し始めてから振り込まれるので、最初の1ヶ月〜2ヶ月は自腹となります。
【3:公共交通機関以外は対象外!】
支給対象は公共交通機関に限られています。徒歩はもちろん、自転車やバイク通学の、駐輪・駐車場代は申請できません。
昼食代も一部支給(上限あり)
私の地域では40日間のみ、1日500円の昼食代が支給されました!
これは全国共通の制度ではなく、自治体や訓練校による独自支援制度のようです。
気になる方はハローワークで確認してみてください。
私は毎日お弁当持参してたので、この支給額を丸々テキスト代の補填に充てちゃいました!
通学中にもらえるお金・サポート制度
職業訓練校に通っている間は、条件に応じて生活費のサポートが受けられます。
ここでは、大きく分けて2つの支援制度を紹介します。
1:雇用保険の受給資格がある場合(=失業給付金)
雇用保険に加入していた方は、退職後に失業給付金を受け取りながら訓練校に通うことができます。
本来の給付期間中であれば、欠席しても基本的には支給されますが、給付期間の延長が適用されてる場合は注意が必要!
延長期間に入った後は、欠席した日数分は支給されないというルールがあります。
給付期間の延長とは?
失業給付には支給日数が決められていて、規定の日数(たとえば120日)までしか受け取ることができません。
しかし、一定の条件を満たせば、規定日数を超えても、訓練校の卒業まで給付が延長される制度があります。
【代表的な条件】
・給付日数の2/3以上が残っている状態で入校していること
・ハローワークから「受講指示」を受けていること
出席が支給にどう影響するか?一覧表で整理しよう!
支給されるお金 | 出席が条件? | 補足 |
---|---|---|
本来の失業給付金(給付期間内) | ✖ いいえ | 欠席しても原則支給(例外あり) |
延長された失業給付金(延長期間) | ◎ はい | 欠席日数分は支給されない |
通学の交通費 | ◎ はい | 出席日数分のみ支給される |
昼食代(支給対象の場合) | ◎ はい | 出席日数分のみ支給される |
長期の病気やケガなどで通学できなくなった場合、「傷病手当支給延長制度」を利用すれば、失業給付を一時停止→回復後に再開できることがあります(※申請が必要)。「給付がなくなるかも」と不安な方は、事前にハローワークで相談しておくのがおすすめです。
2:雇用保険に入っていなかった場合(=職業訓練受講給付金)
雇用保険の加入歴がない方も、一定の条件を満たせば月10万円+交通費の給付を受けられる制度があります。
これが「職業訓練受講給付金」です。
受給には審査があるため、自分が対象かどうかは、ハローワークで相談するのが確実です。
【代表的な条件】
・世帯全体の収入や資産が一定額以下であること
・通学に支障のない環境にあること
・ハローワークのキャリア相談などで給付の必要性が認められていること
「通学に支障のない環境にあること」という条件についてですが、たとえば小さなお子さんがいた場合、「自分にはムリかも…」と諦めてしまうかもしれません。でも、保育園や家族の協力で通学できる体制が整っていれば、条件的には問題なし。
中には、託児所付きの訓練校もありますよ!
「私は〇〇だから通学に支障がある」と感じていても、ハローワークやキャリアコンサルタントに相談し、「安定して授業に出席できる見込みがある」と判断されれば、支給対象になる可能性は十分にあります。
|訓練校に通いたいと考えているなら、「できないかも…」と諦める前に、まずは相談しに行きましょう!
職業訓練受講給付金も、通学日数に応じて支給される仕組みです。
つまり、休んだ日は「通学していない=訓練を受けていない」とみなされるため、その日数分は差し引かれます。
月20日授業があって5日休んだら、10万円 × 15/20 = 75,000円が支給されるイメージです。
注意点:出席管理はかなり厳しいです!
訓練校の出席日数管理はかなり厳しいです。
学校によっては1秒遅刻しただけで欠席扱いになる場合も。
当然ながら欠席した日は交通費・食事代の支給はありません。
なので欠席日数が多いと振込額が減ります。
そして平日ほぼ毎日7〜8時間授業があるので、土日祝休みの会社員と遜色ない生活。
「ラクして給付金をもらおう」なんて考えは通用しません。
まとめ:職業訓練校に通う費用はほぼ0円…むしろプラス!
というわけで、私が職業訓練校に通うためにかかった費用は、テキスト代と保険料の24,000円。
でも、昼食代の支給やメルカリでの教科書売却で相殺され、実質0円(むしろプラス)で通うことができました!
これはあくまでも私の場合ですが、それでも、専門学校や民間のスクールに比べると圧倒的にコスパがいいと感じます。
もちろん、学べる内容やサポート体制には違いがあるかもしれません。
でも私は訓練校でWebサイト制作の基礎を学びながら、こう思いました。
「スクールだろうが訓練校だろうが、未経験から始めた時点でスタートラインは同じ。実際の現場では、結局『やる気があるかどうか』『身につけたスキルを伸ばせるかどうか』がすべて。」
どんなに知識や技術を持っていても、最初に振られるのはおそらく簡単な仕事や雑用。
そこで先輩の技術や働き方を見て、真似して、盗んでいくのが一番の近道です。
「お金がないから学べない」じゃなくて、「少ないお金でも学べる選択がある」。
職業訓練校は、そこから踏み出す1歩を支えてくれる制度だと思います。