【体験談】職業訓練校への通い方|申し込み〜入校までの手続き・面談の流れを解説

職業訓練校体験記
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職業訓練校に通いたいけど、

・どんな手続きが必要なの?
・何回もハローワークに通うの?
・訓練校ってどんな場所なの?

といった不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

私も最初はわからないことだらけで、ドキドキしながらハローワークで入校手続きを進めました。

この記事では、2024年に職業訓練校に通った私の経験をもとに、申し込みから入校までの流れ・面談の内容・準備しておくと良いことなどを詳しく紹介します。

「いつ・どこに・何を持って行くか」がわかるだけで、グッと行動しやすくなるはず。
訓練校を検討している方が、スムーズにスタートを切れるようお手伝いできれば、嬉しいです!

はじめに:職業訓練校に通うには?申し込み条件と、最初にやること

職業訓練校へ通えるのは下記の条件を満たす人だけです。

1:ハローワークで求職登録を行い
2:ハローワーク職員との面談を重ね
3:ハローワーク経由のキャリアコンサルティングを受け
4:ハローワークの所長に「訓練を受ける必要がある」と認められた人

簡単に言えば、「ハローワークに登録している、ハローワークが認めた人」。
だからまずはハローワークへ行き、求職登録を行います。

求職登録(求職申込)とは?

求職登録(求職申込)とは、ハローワークで「仕事を探している人」として登録してもらうことにあたります。

登録時には、職業経験や希望職種などを伝える簡単な面談があるのですが、ここで「職業訓練に興味がある」と伝えれば、後の流れがスムーズになりますよ!

在職中でもハローワークに相談できる!

職業訓練校は、在職中の方は原則入校できません。
ただし、訓練開始日に無職(退職済)であることが確定している場合は、入校の準備を進めることができます。

また、在職中でも転職活動の就職相談には応じてくれますし、ハローワークで転職先を探すことも可能。
気になることがあれば、気負わず気軽に行ってみましょう。

私は在職中にハローワークを訪れ、訓練校のスケジュールや申し込みに必要な手続きを確認進めました。そのおかげで、退職からわずか半月で訓練校に通うことができました。

何度も通う?ハローワークでの面談の流れ

職業訓練校の申し込みまでに、少なくとも3〜4回ハローワークに通う必要があります。
このセクションでは、その面談の流れと、私自身の体験から感じた注意点を紹介します。

面談は3〜4回!何をするの?

ハローワークでの面談は、以下のようなステップで進みます。

1:求職活動集であることの確認
2:職業訓練校の制度や、講座に関する説明
3:職業訓練校を受講する必要性があるかの確認
4:希望する職業訓練コースの相談と選定
5:キャリアコンサルティングによる面談とジョブカードの作成
6:キャリアコンサルティングに受講許可をもらい、訓練校に入校の申込みをする

「職業訓練申し込みたいです」と言えばその場で申込手続きできると思っていたので、この行程の多さと書類作成が面倒で「行くのやめようかな」という考えが脳をよぎりました……

とはいえ、1と2は求職申込からの流れで済ますことができるし、3は2の説明後に渡される書類に記入・提出すればOK。
その場でも記入できるので、希望の訓練が決まっていれば4まで一気に進めることも可能です。

失業給付金目的で訓練校に通おうと思ってる人たちは結構このシステムで篩い落とされるんじゃないかなと。「働かずに給付期間だけ早めたい・延長したい」というような人が、この面倒な工程をこなすと思えないです。

キャリアコンサルティングとは?

キャリアコンサルティング(通称キャリコン)とは、これまでの職歴・スキル・希望職種などをもとに、キャリアプランの整理やアドバイスをしてくれる、専門家のことです。

ハローワークのキャリコン面談はこんな流れ。

・事前に渡されるジョブカードという職務経歴書のようなものを記入して持って行く
・それをもとに強みや弱み、やりたい仕事などを総合して、「だから職業訓練校に通う必要があるんです」という意思表示の書類を作ってもらう

このとき作成した書類が「受講許可証」の役割も兼ねています。

キャリコン面談は就職・独立の方向性を整理するチャンス

正直な話、「職業訓練校に通いたいだけなのに、なぜ何度も面談をしなければいけないの?」と思っていました。

でもキャリコンとの面談は、自分の強み・弱み・やりたいこと、これらを言語化できるすごく重要な時間でした。

他者の介入により自分を客観的に見直すことができ、「本当にやりたいこと」「自分にあった選択」を見直すことができるので、自分の道に迷っている人や転職を考えている人はハローワーク以外でもキャリアコンサルタントとの面談を積極的に活用していくべきだと思います。

キャリアプランに嘘をつく必要はない

職業訓練校に、起業準備や給付金目的・趣味の延長で入校するのはルール違反です。
そういった目的で入校した場合、バレた場合には、給付金の返還などの重いペナルティが科される可能性があります

とはいえ、「スキルを学んで就職した後に独立したい」というキャリアプランでは、独立の前に「就職する」という段階がきちんとある。なので、違反ではないし、それが後々の就職に不利に働くということもありません。

だから、独立を視野に入れてることは隠さず伝えてもOK。
下手に隠して、辻褄が合わない話をして「本当に学びたいの?」という疑問を持たれるよりずっといいと思います。

明確なキャリアプランがあるなら、むしろ堂々と発するべきだと思います。

私は「在宅ワークがしたい。Webサイト制作はそれが可能だし、将来的に独立も可能だ」という理由でWebサイト制作の職業訓練に通うことを希望していました。独立の意思を隠すと「どうしてWebサイト制作業界に就職したいのか」という理由が曖昧になる……
だから、就職の延長に独立があるというプランを正直に話しましたが、特にマイナスに捉えられることはありませんでした。

どの学校にする?訓練校選びと注意点

訓練校に通うと決めたら、「どんな内容を学ぶか」「どの学校を選ぶか」を決めていくことになります。
ここでは、私が実際に悩んだポイントや、選ぶときに気をつけたことをまとめました。

訓練校の探し方と相談方法

訓練校の情報は、ハローワークで配布されている冊子や、Webサイトで確認できます。
学校の名前や場所、講座の期間、学べる内容、募集人数などが一覧で見られるので、最初は気軽に眺めてみるくらいの気持ちでもOK。

何を学べばいいか迷ってる場合は、ハローワークで「こういうことに興味がある」と伝えれば、担当者が相談に乗ってくれます。

▶︎講座の内容と開講スケジュールはここから確認できます

ハローワークに行けば、こういった近日開講の講座が載った冊子が置いてると思います。
中には年単位の講座も!未経験から言語聴覚士に挑戦できるなんて思いもしませんでした。

職業訓練校には見学会や説明会がある

多くの職業訓練校では、講座の開講前に見学会や説明会が開催されます。
授業の様子を実際に見たり、講師からカリキュラムの詳細を聞いたり、中にはカリキュラム体験ができる場合も!

未経験業界の学校に通うことを希望しているなら、入校後の「なんか思ってたのと違う」「やばい、ついていけない」といった可能性を潰すために、行っておいた方がいいと思います。
キャリコンの方にも「行ったほうがいいよ」とアドバイスされました。

▶︎訓練校の説明会に参加したときの話はこちらに

ちなみに、「見学会に参加しておくと合格しやすくなる」という噂もあります。
実際にはそんなわけないと思いますが、不合格だったときに「見学会不参加だったから?」と後悔するのがイヤだったので、私は行きました(笑)

志望校の選び方で重要なのは「通える+学びたい」

同じ分野の講座でも学べる内容やカリキュラムは学校によって全然違います。

たとえば私が学んだWebサイト制作でも、

・Webサイト作成に必要なスキルの基礎を満遍なく学ぶ
・プログラミング中心に学ぶ
・通販サイト制作に必要なスキルを中心に学ぶ
・動画サイト制作に必要なスキルを中心に学ぶ
・Webサイト制作に加えて、マーケティングも学ぶ

こんな感じで、選択コースによりそれぞれ違った特徴がありました。

そして、訓練校は基本的に平日朝から夕方まで、きっちり授業があります。
通いにくい学校を選んで、通学が嫌になったら元も子もない。
かと言って、近場で興味のないカリキュラムを受けるのは時間が勿体無い。

通える範囲で学ぶモチベーションを保てるカリキュラムを探すことが、とても重要だと思います。

訓練校に通う目的と優先順位を明確にしておこう

私は当初、「マーケティングを学べる学校がいい」と思っていました。
でも希望する講座は、開講が3ヶ月後。
カリキュラム期間は半年なので、卒業するまでに9ヶ月もかかる。
そのうえ、通学時間は1時間以上。

考えた末、マーケティングは諦めて

・退職からすぐ通える
・そこそこの内容で、自宅から近い

学校を選びました。
なぜなら、訓練校に通う目的は「スキルを得て次の一歩を踏み出すこと」だったから。

次の目標を考えた時、優先すべきは「マーケティングを学ぶこと」より「早期にスキルを得て次に踏み出すこと」。
そして、ライフスタイルから優先すべきは「なるべく通学時間が短い学校」。

この2つが前提にあったので、志望校を変更することを決めました。

「自分が何を優先したいか」を明確にしておけば、納得のいく学校選びができますよ!

入校申し込み〜選考試験の流れ

職業訓練校を決めて、キャリアコンサルティング面談が終われば、いよいよ申し込み&選考に進みます。
ここでは、実際の申し込み手続きの流れと、選考内容、当日の様子について体験を交えて解説します。

申し込み手続きの内容

キャリアコンサルティング面談で受講許可をもらったら、ハローワーク職員との最終確認作業です。

・志望校と講座の最終確認
・必要書類の提出
・面接・試験の日時や場所の案内

このやり取りは5〜10分程度で終了し、ひとまずハローワークからの入校申込みは終了!

その後、自分で受講希望している職業訓練校に連絡し、面接の日時の指示を受けて、入校申込み手続きが完了となります(地域によっては自分で連絡する必要はないかも)。

ここまで済ませたら、合否発表までハローワークへ行く必要はありません。
面接や合否後の案内は、この時と、入校面接時に指示が出るのでしっかり聞いておきましょう。

入校面接&筆記テスト

入校面接は、指定された日に職業訓練校で行われます。
職種によっては面接後に筆記テストを実施するところも。

面接の服装に指定はありませんでしたが、一応スーツを選びました。
実際、会場にいた30人中29人がスーツだったので、「スーツで来て正解だったな」と感じました。

面接で聞かれたこと

私の場合、1対1の個人面接でした。時間は人によりマチマチで、3〜10分くらい。
聞かれたのはこんな内容でした。

・学校のカリキュラム内容は把握しているか
・どうしてWebサイト制作を学びたいのか
・この業界に就職する意思はあるのか
・卒業後どのくらいで就職するつもりなのか

面談の最後に質疑応答の時間があったので、「41歳でもこの業界に転職が可能なのか?」と聞いてみたところ、

「可能だし、40代でWeb業界に転職を決めた人もいるけど、人気&技術が進化し続けている業界だから、常に勉強して新しい情報や技術をキャッチし続けないと生き残っていけない」

といった忠告をいただきました。

面接では「学校で何を学ぶか理解しているか」を見られている感じでした。
そしてこれはうちの面接官だけかもしれませんが……
「学校のカリキュラムを受けつつ就活もして卒業前に就職しなさい」という就職圧をめちゃくちゃ感じました。合否前に入校辞退を考えたくらいです(笑)。

合格発表〜入校

合否はネットで発表され、自主的に確認するスタイルでした(個別連絡は来ません)。
合格していたら、指示された期日までに下記を済ませます。

・訓練校に指示された必要書類を送る
・ハローワークに行き合格報告

あとは入校日に学校へ行き、入校式&オリエンテーションを済ませ、訓練校生としての日々が始まります!

もし、なんらかの事情で入校を辞退するなら、事前に指示された関係各所へ速やかに連絡すること。入校自体しても、ペナルティなどは発生しないので、安心して連絡してくださいね。

不合格の場合は……経験してないからわかりません!すみません!

私のスケジュールと訓練校に通うまでのリアルな思考

ここでは、実際に私が訓練校に通うまでの流れと、その中で感じたこと・考えたことをまとめました。
これから通おうと思っている方が、自分のペースや優先順位をどう決めるか?の参考になればうれしいです。

退職〜入校までのスケジュール公開

時期行動内容
8月初旬ハローワークで求職者登録・初回面談
8月中旬9〜12月に開講する訓練校を調査、志望校を選定
8月後半ハローワークに志望校を伝えに行く〜キャリアコンサルティング予約〜面談〜申込み書類作成
9月初旬訓練校の説明会&面接
9月中旬退職
9月下旬合格発表(ネットで確認)
10月1日訓練校入校式&オリエンテーション

退職するまでハローワークに行くつもりはなかったのですが、「退職後なるべく間を空けずに動きたい」という気持ちが強かったので、お盆休みを利用して事前にハローワークへ相談に。

結果、退職から半月で訓練校に通うという、最短かつ無駄のない結果を得られました!

退職後、会社が発行する離職票をハローワークに提出して初めて「無職」認定され訓練校へ通う資格を得られます。この離職票が手元に届くまでは一般的に退職から約2週間。
私の手元に離職票が届き、無事入校資格を得たのは入校3日前でした。合格は決まっていたものの離職票がないから通学資格を得られず、学校に送る書類の準備もできず、ソワソワしっぱなしの二週間でしたが、今となってはいい思い出です。

希望の学科は最初から決めていた

職業訓練校で学べることは何業種かあります。
学校選びのポイントは前の章でもまとめてますが、私は次のような理由でWebサイト制作一択でした。

・前職でSNS運営や自社サイトの更新をしていた
・学生時代に自分のホームページやブログを作っていた
・在宅ワーカーになりたかった
・Webサイト制作は在宅ワークはもちろん、副業・独立もしやすそうだった

「自分がどうなりたいか?」がある程度見えていたので、学校選択はスムーズでした。

カリキュラム内容より通学時間を優先

どんな講座を選ぶかよりも、「無理なく通える」ことを重視しました。

学校も職場も「家から通いやすい」を基準に選んできた私にとって、満員電車での長時間通学は厳しすぎる。

途中で行くのが嫌になるのが容易に想像できたので、家から近い学校から、なるべく希望に沿ったカリキュラムの学校を選びました。

入校前はどこの学校も9時〜17時までだと思っていたので、その時間帯で無理なく通える学校に的を絞りましたが、蓋を開けてみたら私の学校は10時〜16時がベース。おかげで朝にゆとりができて助かりました!!学校によって始業時間も就業時間も違うので、気になる場合は事前に問い合わせてみましょう!

訓練校で学んだ先のことまで考えた

退職直後・訓練校入校前の私は、やりたいことが山ほどあって、「何から始めればいいか分からない!」という状態でした。

なので、

・訓練校に通いながら、少しでもそれらを進めていく時間
・少しでも早く「やりたいこと」に手をつけ始められること

この2つを重視して、物事を進めるようにしていました。
退職から半月で学校に行ったのも、この理由からです。

まとめ:考え続けるより、動いてみる

職業訓練校に通う準備をしている間は、

・初めてのことばかりでわからない!
・訓練校は自分に合ってるのかな?最後まで通えるのかな?
・やっぱり通うのやめた方がいいかも
……

と、常に不安がつきまとっていまでした。

でも、実際に学校に通い、卒業した今となっては、「不安を抱えながらでも動いてよかった」と心から思います。

それに、訓練校に通っていた期間はスキルを学ぶだけでなく「自分の考えをまとめなおす」時間にもなりました。

・スキルを学ぶ中で、「これはやりたい」「これは違うかも」が見えてきた
・それに付随して、自分の「好きなこと」を再確認できた
・「やりたいこと全部」じゃなくて、「まず集中すべきこと」が決めたれた
・講師やクラスメイトの話を聞いて、自分の視野が広まった

これらの気づきは、訓練校に通っていたからこそ得られたものです。

不安でも、今できるベストの道を信じて動き出すこと。
完璧じゃなくても、納得できる一歩を踏み出すこと。
その積み重ねが、未来を少しずつ前に進めてくれると私は思います。

「不安だけど、やってみよう!」が、未来を変える一歩になるかもしれません。