職業訓練校について

職業訓練校体験記
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2024年9月に会社を退職した後、4ヶ月間Webサイト制作の職業訓練校に通っていました。

私は20代の頃に一度、会社都合で退職して失業保険を受け取っていた時期があります。
その時、失業保険の手続きでハローワークへ行き、職業訓練校の存在を知ったのですが、当時は「特に学びたいこともないし毎日学校へ通うの嫌だ」とスルー。

だけど制度自体はすごく気になっていたので、今回の退職ではしっかり利用することにしました。

職業訓練校とは

職業訓練校は、仕事を探している人が無料または低コストでスキルを習得できる公的な学校です。主にハローワークを通じて申し込みができ、Webデザイン、プログラミング、事務、介護、製造業など、さまざまな職種の講座があります。

訓練には、雇用保険に加入していた人が対象の「公共職業訓練」と、雇用保険未加入者や失業保険受給終了者が対象の「求職者支援訓練」の2種類があり、それぞれ受講条件が異なります。ただし、カリキュラムに大きな差はありません。

詳しくは厚労省のサイトから▼

メリット

なんといっても特定の分野について無料で学べること。
一般のスクールに通うと、入会金+テキスト代+交通費などがかかってきますが、訓練校はテキスト代しか必要ありません。それどころか、給付金や交通費をもらえるので、給料をもらいながらスキルを学べると言っても過言ではないです。

特定スキルに加えて、就職支援として採用率を上げるための履歴書・職歴書の書き方や面接対策、法的な就業規則、企業の選び方も教えてもらえます。

失業認定日にハローワークに行かなくていい

もうひとつのメリットは、失業認定日にハローワークに行かなくてもいいこと。

失業給付金を受給するためには月に一度ハローワークに行って受給手続きをする必要があるのですが、訓練生はこれが免除になります。理由は認定日も訓練があってハローワークに行けないから。

認定日はハローワークに行けるよう授業を休みにしていたり、逆に訓練生でも来てくださいと言われる場合もあるみたいですが、私は一度も行かなかったです。

ハローワークが近所にある場合はさほど面倒でもないけれど、わざわざ行くような距離だと結構面倒なので、この制度はありがたいです。認定受けるのは実質10分ほどなのに、交通費や往復時間&待ち時間が何時間もかかる場合は特に。

デメリット

・土日祝を除いて基本的に毎日朝から夕方まで授業があること
・卒業後3ヶ月以内に就職すること

就職するためのスキルを教えてもらうので、卒業後3ヶ月以内の就職を目標とした就活をすることがマスト条件です。事前面接でも入校説明でもかなり念押しされます。
給付金目的でとりあえず通うというのは許されないし、仮にそれ目的で入校したとして、その先の数ヶ月毎日学校に通うのは結構しんどいです。

とはいえ就職しなかったからと言って何かペナルティが発生するわけではありません。就職活動自体はマストですが、自分の希望する条件と違う会社に就職する必要はないし、卒業後に起業する方も何割かはいるそうです。

人気の学科は競争率が高い

人気の業界講座は倍率が高いので面接や入校テストで落ちる可能性があります。
私が学んだWebサイト制作系も人気で、ハローワークでも年々倍率が上がっており、受講できるとは限らないと説明されました。

地域によって開講される授業内容も違うので、住んでる場所で希望するカリキュラムがある学校に通えるとも限りません。

就職が保証されてるわけではない

訓練校で学んだからと言ってその職に就く保証がされているわけではありません。

私のクラスメイトにも訓練校に通いながら20社以上に履歴書を送ったり面接したりしても最後まで就職が決まらなかった方がいました。

Webサイト制作の職業訓練校を選んだ理由

前職で会社のインスタ運営のほか、自社サイトの更新・管理、制作会社への外注も行っており、制作会社とのやり取りをする中で、「自分で作った方が早いのでは?」と思うように。
また、

・学生時代に自分のホームページやブログを作っていたこと
・Webサイト制作は在宅ワークが多そうなこと
・副業や起業のロードマップがわかりやすく比較的手軽にできそうなこと

といった理由からWebサイト制作を学んで本業もしくは副業に活かそうと考え、手続きを踏み、無事入校することができました。

入校までの流れ

これは長くなるので別の記事にまとめますが、簡単に説明すると

1.ハローワークで求職申込手続きをする
2.職員から職業訓練校の説明を受ける
3.ハローワークでキャリアコンサルティングを受ける
4.キャリコンから受講許可をもらい、ハローワークに提出→訓練校に申込
5.訓練校にて入校テスト&面接
6.合格すれば、入校して訓練開始

申し込み前に何度かハローワークに通わなければならないので、受講したい訓練開始日の1ヶ月前にはハローワークで初回の相談を受けておくのが良いと思います。

事前に訓練校の開催日程を調べておくと良いかも

退職時期に希望の職種を学べる訓練校が開講されるとも限りません。
どうしても訓練校に通いたい場合は、どの地域でどんな業種の職業訓練が何月から開講されるのか検索できるので、それも参考にしつつ退職スケジュールを決めるのもいいかと思います。

私は在職中の8月半ばにハローワークへ行き
・9月頭に希望しているWebサイト制作学校の面接があること
・それを逃すと次の希望カリキュラムがある学校開講は年明けになること
を知って、働きながら急いで申し込みまでの流れを済ますことになりました。
なので、訓練校に通うことを考えている方には退職前からハローワークに相談に行くことを強くお勧めします。

訓練で学ぶこと

私の通ってたWebサイト制作学校では

・Photoshopを使った画像編集と加工の仕方
・Illustratorを使った画像編集やロゴイラストの描き方
・premiumフォトを使った動画編集の仕方
・figmaを使ったデザインカンプの作り方とその共有方法
・VSコードを使ったWebサイトの作り方
・CSSとJavascriptを使ったWebサイトの装飾方法

これらを4ヶ月で学びました

授業内容について

ぶっちゃけ、本屋で売ってる初心者向けのテキストをなぞって基礎の基礎を学ぶだけ。学校に行かなくても同じテキストを買えば同じことが独学で学べます。
内容も本当に基礎の基礎で、即戦力になる技術は身につきません。

それでも、未経験の業界に本当に無知のまま飛び込む不安は薄れると思います。
反面、「これ本当に仕事にできるのか?」という疑問も出てきます。私はこっちタイプでした。

わからないことをすぐに聞ける環境

未経験の方にとってWebサイト制作は英単語や文法を知らないのに英作文を書くようなものです。
単語や文法を独学で覚えることはできても、いざ英作文を書くとなると、なんとなくそれっぽい文章になっているけど本当に通じるのか判断できません。

独学だとこういった疑問は検索につぐ検索で解決するしかないので、それに比べたら講師の先生に即質問&即解決できる環境&効率の良さがいいです。

それに、就職してからだと先輩に質問しにくかったりしますが、講師の先生となると向こうも教えるのが仕事なので聞く方も気が楽です。

誰かが疑問に思ったことは他にも複数名が疑問に思ってるので、授業中に積極的に質問する人はありがたい存在だったりします。

Webサイトが作れるようになる

学びに行ってるから当然と言えば当然ですが、カリキュラムを終えるとどんな初心者でもWebサイトが作れるようになります。これは断言できます。

実際に通ってみて感じたこと

私個人的の感想としては、学校に行ったことで「これを仕事にしていくのは私に向いてないな」というのを知れたことが大きかったです。

漠然とWebサイト制作をしようと考えてましたが、サイト制作に必要な技術の基礎を学んだことで二つのことがわかりました。

・自分の好きな作業と嫌いな作業があること
・好きな作業だけをやるならいいけど、嫌いな作業は絶対にやりたくないこと

もし仮に、学校へ行かずWebサイト制作業界に転職していたら、この「絶対にやりたくないこと」がストレスになり早期退職もしくはクライアントに迷惑をかけるクリエイターになってました。
事前にその芽を潰した上で、「もし自分がこの業界で仕事をするならこの作業に徹する」という線引きができたのは大きかったです。

在学中に感じたことはこちらの記事にも書いているので、興味があれば。

卒業後の就職率

私の通っていた学校の令和5年度の就職率は80%くらいでした。

卒業生の8割が就職していると考えるとすごくいい数字ですが、全員がWeb業界に就職したわけではありません。また、このうち正社員として転職しているのは20%くらいです。

学べば働ける業界ではない

訓練校ではWebサイト制作の基礎を教えてくれます。
だけど、即戦力にならない基礎を学んだだけで簡単に就職できる業界ではありません。

結局、この業界への就職を掴み取るのは、ごく一部の「絶対にこの業界で働く」という意志を持って積極的な就職活動をしている人たちだけです。

他の業界に行っても問題はない

Webサイト制作を学んだからと言って、必ずその業界で就職しなければいけないという決まりはありません。

私のように、学んだ上で「自分に合ってない」と思って違う道に進む人もいれば、「好き嫌いを言ってる場合じゃないからとりあえず条件の良いところを受けて、受かれば働く」という人もいます。

なんにせよ、働く意思のある人たちの集まりなので、ほとんどの人が何かしらの職に就くんだろうなという感じはしました。

ちなみに私はカリキュラムを最後まで受けましたが、在校中に就職を決めて退校した生徒が2人、諸事情で自主退校した方が2人、出席日数不足で退校した方が1人いました。

学ぶことで強みは増える

Webサイト制作で学んだことから役立つことは多いと思います。

PhotoshopやIllustratorを使えることは、これらのツールを使って広告や販促POPを作れるといったアピールになります。

Webサイトを作ってない会社や、大昔に作ったサイトしかない会社では「サイトを作れる」というスキルが魅力的に見えるかも知れません。

まったく別の業界に行って、副業でWebサイト作りを始めることもできます。

学校へ行くことで程度の差はあれど確実に「Webサイトを作れるようになる」ので、それを活かすも殺すも自分次第だなと思います。

まとめ

職業訓練校では、「自分がどういった職に就きたいのか」「どういった職業が合っているのか」がわかる適性テストのような授業もありますし、書類選考を通過できる履歴書・職歴書の書き方や面接対策の授業もあります。

私はこれらの授業を通して、自分が本当にやりたいことを理解し、明確な未来のビジョンを手に入れることができました。

これから職業訓練校に通おうと考えている方は、「職業訓練校は欲しいスキルを身につけるだけでなく、キャリアの方向性を考える時間だ」ということを念頭に置き、今一度自分の気持ちを見つめ直し、スキルを身につけ、次へ進むための第一歩を踏み出すための有意義な時間を過ごして欲しいと思います。